みなも泳ぐ水鳥も

観劇と他の趣味

2022年見たものまとめ(4月)

メリーポピンズ@シアターオーブ
終始楽しくて大人にこそ沁みるお話だった。StepInTime以降じわじわと泣いてしまう。
まったくメリポピに触れたことないと思ってたけど、ジンジャーブレッドの星のお話は子供の頃に本で読んだ気がするな。

玲奈メリー、ツンとしててすっと背筋伸びてて仕事できてふっと緩むところもキュート。アイロニックでブリティッシュな夢の住人って感じだった。
それほどにこやかでもやわらかくもないからなおのこと、最後のお別れの寂しいのが寂しくなるんだよね。優しい言葉かけられたくないマイケルの気持ちがわかる。

めぐメリーは子どもの頃に芸術鑑賞会で見た気がするようなメリー。朗らかで優しくて悪いことしたときはピリッとする包容力のあるメリーでした。

 

そんなれなメリーが大好きな小野田バート、栄養満点すぎた。からっとしていてディズニーのおにいさんみたい。
昔メリーに目をかけられた子供だった大人という感じで、あくまでも大人として子供たちのこと話してる印象だった。愛嬌があって愛にあふれててあったかい。

大貫バートは身体能力がバートなのはもちろんなんだけど、振る舞いとメリーへの気持ちがうるっとしていて、こちらも好き。

 

駒田パパ、最初はドラマに出てくるようなやな感じの仕事人間なんだけど、お仕事見学くらいから徐々に性格が見えてきて魅力的で最後大好きになった。

新太ロバートソンアイ可愛い。元々のキャラ設定をあんまり知らないけど、能力が足りてないというより幼くてできることが少ないって感じがした。
みりんロバートソンアイは動いた後ろにトラブルが発生し続けるタイプ。

中込マイケルと出会う機会が多かった。あの年の子供的な滑舌なんだけど、台詞の雰囲気とか間とかが好きだった。

 

今回初めてバルコニー席座ったけど、少なくともメリポピではそんなに見切れないしとにかく周りに人が少なくて超快適だった。

 

奇蹟
好きなサイズ感の舞台!思ってたほど分かりにくくもなく面白かった。
芳雄さんと浩ちゃんのバディ非常に好きでした。ああいう文字にしないと何の話かわからんような会話をぺらぺら続けるタイプの探偵ほんっとうに好きなんですよね……。

内藤ユウラン牧師とふたりになって以降のちょっと攻撃モードに入る法水さんが好き。
最後の感想に謎を追い求める探偵の良心、人間的な優しさが垣間見えた。
インバネスコートに細身のパンツにベストのみの探偵スタイルがとってもお似合いでした。

調査官の岩男さんのテンションが好きだった。瀧内さんはもうちょっと竹を割ったような役で見たかったかな。

 

ブラッドブラザーズ

双子が真実を知ったから死んだ、指クロスしてなかったから死んだ、新品の靴を机の上に置いたから不幸になったっていう話なのかな。そこに因果関係の有無は関係なく。
元はと言えば多産DV男と血縁に拘る夫のせい、でもミッキー母の計画性のなさも格差の再生産とはいえ影響が大きいし、エディ母も一線を越えているし、エディは何かした訳ではないけど見えてないことが多くて、ミッキーは一回浮気らしき現場見ただけで激昂しすぎだし、リンダは一番被害者だけど薬に理解がなく、ままならん……。
誰かひとりだけのせいにしていないのは意図的のように感じるけど、尚のこと育つ環境の影響の大きさと、どう育ったって死ぬときは死ぬというままならなさに直面する。

 

とにかく堀内敬子しか勝たんだった。最初と最後のアカペラもしっとりも景気の良い曲も全部上手いし、いろいろ抱えてるけど肝の座った母ちゃんだった。


子ミッキー出てきてしばらくひとり喋りするとこ、こどもそのものでびっくり。こっちがよく知らない話ばーっとまくしたてるのとか、大人が子供の演技してるんじゃなくてこどもの喋り方って感じだった。
本人はそんな性格でもないのに、上が悪すぎてそういう風に振る舞ってしまうタイプのこどもっているよな……って自分の同級生のこと思い出したりしていた。

 

ナレーターは黒コートはためかせて出たり入ったり、妖しい魅力を地でいく男。

橋の上から真下にいる赤子のエディをめちゃくちゃかまう、子ミッキーを指で呼び込む、窓から出てきて一節歌って戻る、優秀なエディに歪んだコンプレックスを抱く教師、青春時代の3人に優しい声色でナレーション、捕まるミッキーに向かって指ひらひらしてガンフィンガーで撃つ……。
ナレーターの歌詞、だんだん悪魔が近づいてきていてちょっとだけメリーさんみたいだなと思った。

 

引き取られるのは逆だったかもよが執拗に描かれているのはよくできてるなと思った。

子供の頃3人で射撃遊びしてたときにエディがおもちゃの銃扱えなくてミッキーに当ててたり、カテコでウエンツはミッキーの家からかっきーはライオンズ家の方から出てきてたり。どちらも父親が壮麻さんなのもふたりの人生がまったく入れ替わった可能性もあったのが強化されてた。

迷信を並べるナレーターソングと指先クロスのメロディーが同じなのも、迷信が作品の軸だって刷り込まれてるみたいで好きだった。曲の入りにティンバレスが超印象的に鳴るのかっこよくて好き。

ミッキー乱入前のライオンズ議員様のスピーチが何にも言ってなくてちょっと笑ってしまう。

 

後半の病気と薬のくだりは、リンダの知識不足とかそもそも薬が粗悪とか、背景と設定はあるのかもしれないけど、昔の戯曲とはいえ何の説明もなしに今の時代に出すのはさすがに厳しいのではと思った。

あと口に入れたもの吹き出す演出好きじゃなかった。感染対策の逆張りイキリみたいに感じた。

 

Next to Normal
決して明るい話ではないんだけど、クリエのキャパで全員歌も芝居もうまくて音楽もセットもかっこよくて演出も大胆で、なぜかものすごく浄化作用がある作品だった。
それぞれのピースを合わせると丸になるのがNチームなら、Aチームはトゲトゲの多角形みたいな印象。


海宝ゲイブ、I'm Aliveでもすごく挑発的な笑みを浮かべてるし、I am the Oneで爆発したダンに対してダイアナに手を差し伸べて肩を抱いて勝利の顔をしていて好き。

赤シャツのゲイブはダンの中にいた彼ということだね。すぐにダイアナが体調を崩して支えが必要になったから、十分に悲しめずに直視されずに残っていたということかな。
最後ダンにゲイブが涙ながらに存在を語りかけるの胸にぐっときた。

 

Superboy and the Invisible Girlが好きだった。ナタリーとヘンリー好きだったな。
大久保ヘンリー、好きになる造形をしている。ずっと近くにいたけど気づかれない優しい男の子と、すごく頭良くて周りを寄せ付けない子って感じ。

橋本ヘンリーはめちゃ陽キャで、クラスで目立つ男子と天才でちょっと浮いてる子のカップルって感じ。


ドクターマッデンが聖人でも悪者でもないのが好きだった。
最初から優しげなので、治療で予想外が続いたときの感情の乱れがきく。それでも寄り添って治療継続するところでもう一転。


My Favorite Thingsのオマージュで薬羅列してる曲好きだった。

再演してほしいなあ。