みなも泳ぐ水鳥も

観劇と他の趣味

2024年見たものまとめ(5-6月)

EXILE THE SECOND LIVE TOUR 2024 FAR EAST COWBOYZ

最高だった!!5人になってからそれほど積極的には追えてなかったんだけど、やっぱり彼らのパフォーマンスが大好きだ。

TJBBと一緒に酒場のセットでショーケースが本当に好き。お芝居っぽいパフォーマンスはセカンドさんのカラーのひとつだな。

また、そのあとのネスミス劇場!ひとりで1万人を沸かせ続ける八面六臂の大活躍。延長はしてたんだろうけど笑、あなたがいいって直接伝えられて良かった。

新曲のアムルーズとってもきれいな曲。雨の中で傘を持って踊るケンチさんを茫然と見ていた。

終盤の大暴れセトリも大好き。幸せなら手をたたこうからのCrapYourHandsなんかあまりにも将吉さんの仕事。

 

しばらくずっと平日にすべりこむようなスケジュールばっかりだったから、ライブ会場でご飯食べてちょっとグッズ見たりできてものすごく精神が回復した。

演出や最後の挨拶の言葉の端々に、勝手に、決着と今後の未来を見て、これからもこのグループを見ていたいと思いました。

 

The silence of Takuma Otoo This is Who I am

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JBB CONSERT TOUR 2024

本当に歌が上手い。
初めて聴く曲もたくさんあったけど、特に「グッド・ナイト・ベイビー」とジャクソン5の「I Want You Back」が好きだった。

「アイドル」を踊って歌うあっきーにときめいた。あと振り付けのレクチャーで「皆さん見えてますよ~、やってない人も」って言い方の温度が好き。
いつもFreedomあっきーを見ることが多いけど、藤岡さんといるときにしっかり手綱を握ってるあっきーの良さがある。


ハムレット

素晴らしかった。柿澤勇人を好きで良かった。
狂気を演じているのか、それに飲み込まれているのか。正気と狂気のあわいを揺れ動きながら、すべての台詞がすべて聞き取りやすい。大声で叫んだあとに、独白で突然ぐっと声量を落とす場面で客席が引き込まれるのがわかる。
怒りの発露も好きだし、墓掘りとのシーンは本来のハムレット様を見ているようで好き。

オフィーリアも本当に良かった。もともと映像でかなり好きだったけど、声も舞台映えするし動きも魅力的。恋する乙女が困惑して発狂につながる変化がつらい。

 

ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル

 

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この世界の片隅に

ものすごく良かった。
1幕は日常のいろいろな瞬間を切り取ったエピソードが中心で、キャラクターへの愛着が湧く。そのあと2幕で、具体的な年月日とともに事実がひたすら迫ってくる。それが8/6だけではないところもまた、こんなこと二度と起こしてはいけないとただただ思った。

海外作品を見ていて、もっと肌感覚で伝わるはずなんだろうなと思うことがよくあったんだけど、読み上げられる日付がただ進んでくるだけで苦しくなるのは国産ミュージカルによるものだなと思う。

 

キャラクターの関係は、女性たちが男を挟まずともつながっていたのがすごく好きだった。
櫻子すずと玲香リンさんだと鏡合わせというか対になっているように感じた。まだ幼い部分があって、周作さんと同じくらいすずさんをすずさんとして大切に思っている印象。

径子さんは、こんなに似合うことがあるかよってくらいぴったりだった。ちゃきちゃきしている故のはっきりした物言いと気遣い、娘を失った絶望、でも怒りの矛先が違うことを自覚しての「自由の色」がものすごかった。

 

海宝周作、無口で不器用な人がその人なりに大切に思って、少しずつ柔らかくなっていくのがわかる。祝言の日の寝室での、膝の角度。あと哲さんが来た日の、嫉妬してるけど性格的にも情勢的にもそれを押し込めるニュアンスがすごく好きだった。

哲さんも、今さらどうこうなりたいわけではないけど、特別だったんだなとわかる。初めての唯さんかなり好きだった。

昨今の子役たちの担う役割には震えるばかり。こどもすずちゃんが事あるごとにそばで見ている演出がすごく好きだった。あとすみちゃんのお芝居が好き!

そして毎度の、東宝漫画原作作品なのか上田一豪演出作品のチームなのか、アンサンブルの厚さたるや。

何より楽曲が本当に素晴らしかった。戦争の影響を受けているシーンほど、綺麗だったり楽しい曲だったりするのがつらい。あくまでも日常に侵食してくる戦争。歌い上げるような曲が少なくて、場面に寄り添うような楽曲が多い印象だった。

これからも国産オリジナル作品続いていきますように。

2024「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」

昨年に引き続き夏のお祭り。
決してものすごく好きなお話ではないんだけど、日比谷から東京駅までフラッグがかかって、外も中もラッピングされた帝劇にガンガン流れるBGM、みんなが熱に浮かされて出てくるこの作品はやっぱり特別なんだよな。

 

今作はやはり、2幕の感情の変化がただただ至高。
Come What Mayは1幕のピュアボーイの色を残したまま、サティーンにとってもこの真っ直ぐさが救いなんだよなあっていう説得力がある。
Chandelierで混沌に入って革のコートまとって、ダンッ!でスポット浴びて見上げる顔。ロクサーヌの最後は既に目が据わっていて、デュークの屋敷でサティーンに期待を込めてすがる表情のつらさ。CrazyRollingでは目がぐるぐるでもうあんまり分かってないんだと思った。
最後にぼろぼろになったところで自分が初めに贈った歌が聴こえて、アブサンの魔法が解けてサティーンが見えるようになる。

芝居で目の形変わるのが本当に好きだよう。

 

でもずっとふにゃふにゃ笑ってる1幕も好き。
YourSongのピュアな魅力も、ELMの「君も僕が好きでしょ?」の強さも。あのミラーリングのパート一生好き。YourSongで最後キスしてしばらくふわふわって宙を彷徨う置きどころのない手が好き。

のぞみサティーンとの最悪すれ違いコントはさらに速度を増してるし、プレゼンはなんか細かい小芝居がさらに増えていた。

あーやサティーンは楽屋でふたりでいるとき声のトーンが低くて、すれ違いコント部もあんまりヒートアップしないのが新鮮。それなりに仕事と割り切って、だる~と思いながら公爵迎えるの良かった。逆に2幕は本当に好きになってしまってどんどん悲劇性が増していく感じ。

劇中劇の稽古初回の棒台詞感がかなり強くなっていて、クリエイターだけど役者は初めての感じも出ていたし、2回目以降嫉妬に苛まれて本心でヒートアップするのがわかりやすくなっていた。

今年はデュークのかっこよさと恐ろしさが増し増し。稽古場でもシャンゼリゼ通りでも物腰は柔らかくて諭すような喋り方で、本当に彼の中では正しい論理で動いてるんだろうな。最後の屋敷の噴き出すような怒りが怖くてかっこいい。

ニニたちもシスターとしてのサティーンとの結びつきをさらに強く感じてとても好きだった。
ショコラはサティーンと違うタイプの実働型リーダーって感じ。クリスチャンともガヤガヤ喋ってるの好き。あそこけっこうちゃんと劇中劇について喋ってるらしい。
ベイビードール去年は可愛い末っ子って感じだったけど、今年はパフォーマンスのキラキラが増して貫禄があった。

ロートレックとサティーンが部屋で話す「僕たちは悲劇役者だ」のシーン、前を歩くクリスチャンをふたりで見ているような雰囲気がすごく好きだった。そこで結びつきを感じるから、最後の「僕のミューズ」「私の天才」がさらに心を締め付ける。


昨年から考えていた、デュークとロートレックの言い分については突然すとんと納得した気がする。
デュークの「私の立ち位置を理解してくれ」も彼の立場からすると一理あるんだけど、同時に資本主義社会でプロレタリア演劇を上演するために金を持ってる人の力を借りるのも間違っていない。(そうでないと強者の存在を否定するような思想は表現が限定されてしまう)
そこで意見の相違が発生した場合、「金を出してるんだから」でパトロンが表現を変えさせるのはやはり間違っていて、それを飲むか金を出すのをやめるかのどちらかなんじゃないか。だからロートレックの「あなたこそ私にもっと敬意を払うべきだ」は正しいし、それでも資金が必要なムーランルージュ側は飲ませる(内容は置いといて上演を納得させる)方向に動いてるんだな、と今回見ていて思った。

 

のぞよし回を風車のふもとで見ていて、これが役として帝劇の舞台に立つ最後の芳雄さんなのかと思ったらものすごくセンチメンタルになってしまった。名残惜しくていろんな写真撮った。
芳雄さんと帝劇の歴史にしてみたら一部だけだけど、観劇初めてからたくさんの思い出が紐づいています。

 

まだレミゼも帝劇コンも行くつもりだけど!今作も梅芸公演あるけど!ひとまず本当におつかれさまでした。

2024「The silence of Takuma Otoo This is Who I am」

5D2、4人目音尾琢真のソロライブ!

人生初のオールスタンディングライブハウスでした。

 

■福岡 BEAT STATION

 

荷物小さくしてそわそわしながら入場。どこからも全体が見渡せるちょうどよいキャパ。後半寄りの整理番号だったけど、ちょうどセンターが抜けるスペースを位置取れてスタート!

 

開演BDM:月の裏で

音源が流れ始めて最初からシンガロング。適度なところでバンドメンバーとフロントマン登場!

 

♪Hey Jimi

♪冬歌

ゴリゴリのオッティーロックからの、沖縄民謡テイストのメロをギターで聴けるのが新鮮で面白い。

あとベースの伊藤千明さんがめちゃくちゃかっこいい。ちょうどギターボーカル抜けでずっと見えていて、笑顔でゴリゴリ弾き倒しているのが素敵だった。

 

暗転して早々にバサッとジャケット脱いだら客席から\セクシー!/の掛け声。後ろ向いたまま肩揺らして笑うフロントマン。すかさず\かっこいい!/\可愛い!/\大好き!!/の声が飛び交って「ここの皆さんは過去一愉快ですね」って言ってもらう。笑

「3公演やってきて皆さんに褒められてどんどん自己肯定感が上がってきております」「ほんとにみなさんのおかげで生きてるなって実感します」って言うの聞いてほっこりしつつ、「まあでも皆さんがいなくても生きています、そういう男です」って言ってくれる安心感もある。

自己肯定感についてはたびたび思うところがあったので直接好きだよの声が伝わっている嬉しさもあるし、それはそれとして(少なくとも我々の前では)飄々としているところも好きなんだよ。

 

【MC】

福岡は当日入りしたとのこと。羽田まで車で来たら、謎のランプが点滅してて点けたり消したりしたものの解消しなくて、不安を置いたままここに来ました。

保安検査場ギリギリに着いて、手荷物の機材止められないかなあって思いながら待ってたら、前にいた修学旅行生が先生と一緒に止められてた。警察も来てて何かと思って聞き耳立ててたら「エアガン持ち込んだ」と。さすがにエアガンはダメだよねえ、戸次さんじゃないんだから。

こういう今日あった話もオッティーさんじゃできなかったからね。

ということでオッティーさんの曲をやります!

 

♪Come fly with me

♪Who are you

♪I don't know why

配信されてる曲以外は2014年のDVDでしか聴いたことなかったけど、どれもかっこいい。特にI don't know whyが好きだった。

 

「思い返すといっぱい曲作りましたね」「オッティーさんの曲は『琢ちゃんはこういうのがやりたいんだな』と思ってください」みたいな話をしてるところで、\SONGS出て!/の声が。

「SONGSねえ、2人も関係者いるから頼んだら出れるかもしれないけどね笑」「でもSONGS出してなんて頼んだら、あいつに何回土下座させられるか」\代わりにするよ!/「代わりにしてくれるの笑、頼もしいなあ」みたいなゆるゆるした会話してる柔らかい笑顔が好き。

 

♪Trouble

♪I'm Ottey Ottoman

ベース伊藤さんドラム渋谷さんが一旦退場して、ピアノのみ。曲入る前に制作の背景を説明してくれた。

Otteyのためにたくさん曲作ったけど、自分の想いを込めた曲も作りたいと思った。それぞれの時代でいろんなことがあって、こうなりたい理想の自分がいるけどなれない自分もいる、でもそういう自分だって自分だから認めてあげたい、だからあとは任せたOttey Ottoman!みたいな気持ちで作った、ようなことを丁寧に言葉を尽くして話してくれる。「つまりこれがThis is Who I amなのか?じゃあこんな真ん中じゃなくて最後に取っとけばよかったかな」って言い始めたのも好き。

歌い出しすぐに前の方で1人倒れた方がいて中断。しきりに謝られる中で「全然、全然大丈夫」「ここに集まった仲間じゃない」と。協力した周りの方にも感謝して、「じゃあもう一回MCから行こうかな、うそうそ笑、歌からね」の表情も好き。

私は配信で初めて聴いたときになんて美しい曲なんだって思ってからずっと特別に好きな曲だったんだけど、改めて制作の想いを聞いて、ピアノとともにピンスポを浴びながら歌うのを聴いて、さらにスペシャルな曲になりました。

 

ここでピアノ土屋さんも退場して、アコギに持ち替えてひとりの時間。

お水飲んで、なぜかマイクに嚥下音聞かせてくれて会場Foo~!!ってなる。「いかん、本来俺がやりたかったのはこういうことではない!自分が怖い」って反省してて笑った。

 

♪月の裏で

1番のサビまでが弾き語りのバラードアレンジに。別の曲みたいですごく素敵。サビからはいつものテンポになって、みんなで飛び跳ねる。ドラバラの中でも異色な企画回の主題歌からライブ定番曲になってるのも曲の力だよね。

 

「さて、ひとりぼっちになっちゃいましたから、ちょっと遊びましょうかね」って言って始まったのがルーパータイム!

♪おねがい!NACS SUMMER

少しずつメロディやリズムを重ねていくの、プロのパティシエの作業みたいな心地よさがある。しばらく何の曲かわからなくてじっと見てた。

リーダーのラップパートを求められるんだけど速いし難しいし(さらに私の声は全然飛ばないタイプだし)であんまり力になれず悔しかった!笑 サビはみんなで歌って踊ってで心地よい。「他の4人にあてて書いた曲をこうやってみんなで歌ってると不思議な気分だな」と。

♪ぼくらのキセキ~five goes on~

さっきの録音が残っててサビおかわり、みたいなこともありつつ、こちらは印象的なメロディーが重なっていく。たぶん全体のトラックだけじゃなくて局所的なところも作っていて、魔法みたいだなと思って見てた。

歴史を振り返るおしゃれなギミックもありつつ、直球の「これから」が響くこの歌が音尾琢真から生まれてる事実を聴くたびにかみしめているので、音尾さんの声で『僕ら5人心ひとつだから』を聴けたのが本当に嬉しかった。

 

ここでバンド再登場!

♪勇気の翼

このアレンジが今回ベストで好きだった!アイドルソングが疾走感のある青春ロックに!大サビ前のブレイクでは神々しいまでのピンスポに照らされて超かっこいい。

 

♪きみにキャッチュー

最高潮の中でキャッチュー!若い頃の曲に渋みも加わっていっそう良さがあるベテランロッカーだった。セクシーでかっこいい。

 

♪Samba de Kanemocchi

最強の迷曲!ギター置いてお立ち台に。1番のuh~のところでするっと眼鏡外してシャツの胸元にかけてオーディエンス熱狂!

全部タクマ!で行くつもりだったのに2番でしっかりリッキッオ~って歌っちゃって、あ!!ってなったり、最後盛り上がりすぎて音源と拍ずれたまま進んだり、カオスになるのもライブだったな。

 

「残念ながらこれで最後の曲です」に心からのええ~~!!!が出た。

 

♪夏のご褒美

これも大切な曲。リーダーパートの「今日はほんとにありがとな」を力込めて歌ってくれて、こちらこそだよ~~!!になった。

「愛してる ひとり残らず」で会場くまなく指差しくれて、LOVEだよ。

 

最後バンドメンバーと客席で写真タイム。準備してる中で「僕らがいて、笑顔の皆さんがいて、これはリーダーうらやましがるだろうなあ!」って言ってたのが突然で良かった。

 

退場後早々に\\アンコール!//コール。しばらくスタッフのお兄さんがステージ上整備しているのを見る。このお兄さんも仕事人で素敵でした。

再登場して「さあさあさあ、じゃあみんなでこの曲のサビ歌おうぜ~」っていうことで、きみからつづく!

 

En. きみからつづく

全員でする~っとサビ合唱したら、すごく染み入ったような表情で「君たちはいったいどこで培養されたんだい」「なんか20~30年前に蒔いた種が大きな木に育ったみたいな感動があるな……」って言ってくれたのすごく嬉しかった。みんなにとって特別な曲なんだよ。

知らない人はラララでもいいよ、ってラララでもう1周して、「全部歌うならもう1回歌詞で歌えばみんな覚えられたかもしれなかった……」って反省して笑、もう1回みんなで歌ってから歌唱。

2番の歌詞がすごく好きで、音尾琢真本人の歌声が日々の生活で摩耗した心にしみ込んだ。

 

退場を見送っても拍手止まらず。

客出し曲:きみからつづく(インスト)

帰りがたい雰囲気から何となく自然発生的に合唱が始まって、2番~大サビ前まで客席で歌い続ける。

すっと音量が下がってダブルアンコール。すごく柔らかい表情で最高だって言ってくれて「じゃあ最後にもう一度ロックしてもいいですか!」って。

♪40years

ギター弾きながら移動してくれる。ふわっと微笑みながら弾いて歌っているのが幸せだった。

 

「よし決めたぞ、また来るからな!平日の昼でも、午後10時でも、深夜の2時……2時スタートでも!笑 必ず来てもらうからな!」って言って、最後ぐって身を乗り出して客席見ながら本当に細かく全方向に手振ってくれて。

 

愛が前提の声掛けがあって、それを全部吸収してくれるフロントマンからのレスポンスがあって、演奏を聴いて各々で盛り上がって、自然発生の合唱があって、それを聴いて嬉しいと思ってくれたダブルアンコールまで、おこがましいけど客席も一緒になって作り上げた「ライブ空間」だったなと思った。

音尾さんの魅力と愛情を全身で実感したライブだった。本当にただただ楽しかった。こちらからの愛もできるだけたくさん届いていると嬉しいな。

 

 

■KT Zepp Yokohama

ファイナル!!

40YearsとHeyJimiの曲順がチェンジ。アンコール、I love youを叫びながら、なんてラスト向きの曲なんだと思った。

各地でやっていた限定曲から、3曲追加。


♪Te extrano
ルーパータイムに追加。今の音尾さんだとさらに映えるアダルトな曲。

♪For You
大切な人のために作ったオッティ曲。明るい曲調と思いの込められた歌詞が胸にしみる。

♪菊介さんの歌
なつぞらスピンオフより。人に作ってもらったらちゃんと覚えなきゃいけないから自分で作った、らしい。笑
歌い始め一瞬で役が乗って鳥肌立った。最後は千春さん風味。


ファイナルなのも相まってかずっとにこにこふわふわ。
「琢ちゃん大好き!」のコーレスを求めておきながら、突然我に返って照れる。客席から\照れてても可愛い!/って早口で飛んできて、「んふふ、今テレテテモカワイイ!いただきましたけども、そんな、2拍に詰めなくても、という謎のツボに、入ってしまいました」って笑うの可愛い。
「今まで黙っていましたが……オッティオットマンは……実は僕なんです!」\\エェ~!!!//っていう遊びが気に入って3回くらいやって、「いや~これだけで1時間できますね……」って言い終わるや否やTrouble始まるの自由すぎてきゅん。

 

2階指定席からだと機材をカチャカチャする足元が全部見えて楽しかった。あとギター弾きながら足踏みするのが好き。
最後の曲でバンドメンバーみんなとそれぞれ目を合わせにいったのが本当に好き。演奏中のアイコンタクトは世の中で最も素晴らしいものです。

 

ダブルアンコール、きみからつづく合唱してたら途中で登場して、ノーマイクで一緒に歌ってくれた。

音尾琢真」として客席に向かって、大切な話もたくさんしてくれて、本当に特別な時間でした。

2024年見たものまとめ(3-4月)

カムフロムアウェイ

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骨と軽蔑

ファニーなところもあるけど、全体を通してヘビーなお話。最前列で7人の芝居を浴びて持っていかれた……。

軍需産業の家で、家長が妻になってさらに倫理が逸脱していく。ファンタジーな展開も含めて、起きたことに因果があるのかどうかは捉え方によるだろうけど、個人的には人がどう生きていようが戦禍は降り注ぐということなのかなと思った。

初のクリエ公演だからなのか、第4の壁を越えて「現代の日比谷」に話しかけてくる演出があったのだけど、「現代」よりも「日比谷」に重きを置かれているように感じたのが、何となく小劇場と東宝に線を引かれたようでちょっと居心地悪かった。

公演中にケラさんもクリエ好きになったっておっしゃってたので、今後とも線を踏み越えてよろしくお願いします。

 

メディア/イアソン

初見は自分のコンディションもあって本当に頭に入ってこなかったんだけど、2回目でするする理解できた。

とにかく照明が印象的。メディアとイアソンの出会いの冒険譚は影絵の絵本のよう。イアソンの裏切り以降は、イアソンの真意の見えないずるさや子供たちに起きた惨劇を語らずとも理解させられた。

イアソンは調子が良くて押しに弱い、その場のノリに合わせてしまえる人という印象。裏切りも、もちろん己の立身出世も目的の一つでしょうが、メディアに言っている「家族のため」「より良い生活のため」というのも別に嘘ではないんだろうなとは思った。ただそれをメディアに納得させるために労力を割くほどの誠実さは持ち合わせていなかった。

メディアは、逡巡しながらも決めたら目的のためになんでもする人。

貴以さんはさすがの幅広さ。可愛い年少の妹からイアソンおじへの切り替わりとか透き通る歌声とか八面六臂の大活躍だった。三浦くんはさまざまな身体表現が美しい。特に炎の軽やかさたるや。キーとなる長台詞も多くて、メディアの呪いについての語りがすさまじかった。加茂さんは多くを語らない双子の片方が本当に素晴らしかった。心にざらざらしたものが残って終わる。

 

北海道フードフィルムフェスティバル

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リア王

話も演出も苦手なのでは……と思いながら今この時に段田さんと玲央さんが共演してるのが見たい目的だけでチケット取ったんだけど、かなり面白かった。錚々たる役者陣のお芝居がものすごく良い。

エドマンド、好きな悪い男だった。ギラギラの野心で行くとこまで行けるのに、最初にさくっと追放した兄の誠実さによって身を滅ぼす哀れな男。高みを目指すひとり語りから人心に取り入る可哀そうな声まで声色も多彩。喋ってない間も舞台上に存在して、転換もして飛び回って、ずっと目で追っていた。お姉さんたちに迫られてるのも、それ自体が目的ではないので特に嬉しそうではないのも良い。

悪に比例して、エドガーとグロスター伯の親子もすごく良かった。盲目の父に正体を隠して行動を共にするようになってからの、言葉にしがたい切なさ。

王と再会したときの段田さんと浅野さんのお芝居がものすごい。狂気と覚醒の間をゆらゆらする王と、自分のことを分かった王に感情があふれるグロスター伯。

でも元々は私生児をないがしろにしたグロスター伯が悪い、治めていた土地を自分のものと思って娘に切り分けたリア王が悪い、とも思うので、因果応報なんだろうな。

数少ないまっとうな男・オールバニー公も安心感があって好きだった。盛さんvs玲央さんのバチバチバトル見れたの嬉しい。

 

井上芳雄byMYSELF × Greenville Concert 2024

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ジーザス・クライスト=スーパースター

初見時に全くついていけないまま終わってしまった作品で、リベンジでした。

今回は面白さも好きなところも分かったけど、しんどいところも理解した。最初から一方的に神格化して救いを求める群衆とそれに苦悩するジーザスなので、対話がほとんどないor成立していないのでしんどいんだな。徹底的なディスコミュニケーションの話。私は会話によって変化していくお芝居が好きなんだと思う。

その中で何とか対話をしようとしているユダ。あとピラト。伝えても伝えても打ち返してこない相手に何ができるのか。

ユダ本当に好きだった。自分に向かって言い訳しながら告発しにいって、司教たちに金つかまされてうつぶせながらライトに照らされる顔のなんと美しいこと。最後の夜にキャンプファイヤーのように歌っている使徒たちを背後に、ふたりにしか伝わらない会話をしているところが好き。あなたのためと言いながら自分を裏切ろうとしていることを分かっているのに止めてはくれない男への愛憎。それでも痛めつけられるのは見ていられない複雑さ。

あと構図がどの瞬間もすさまじい。ジーザスにすがる群衆たちが赤黒く照らされていたり、トランスフォームユダの超アッパーチューンの中で十字架を運んでいたり。冒頭で担がれるジーザスの無の表情と群衆の熱狂の対比が、最後の処刑のシーンで返ってくるのもすごい。

何かがあればすごくハマりそうな予感はあったので、上演されるときは見ていきたい。

2024「井上芳雄 byMYSELF×Greenville Concert 2024」

1日目、万里生浦井ゲスト回行ってきました。

 

大きい会場で、入場して自分の席に着くまでに右往左往、物販に並んだら全く列が進まずに何とか開演ギリギリで席に着けました。7000人キャパ恐るべし。

 

♪Prelude

アルバムの1曲目から静かにスタート。美しい曲。

 

前回の20周年コンサートはほとんどの公演が中止になって、4時間(実質5時間)の配信コンサートをやり切って少し燃え尽きてしまっていた中で、何ができるかなと考えた結果、アルバム曲とそのテーマから連想されるミュージカル曲を両方歌っていくコンサートにしてみた、というお話。

僕と言えば延長するみたいなイメージが付いてるけど、僕も大人になったので長けりゃいいってもんじゃない、落ち着いた大人のアーティストのコンサートにしますよ、というフラグみたいな話もありつつ笑、コンサートスタート!

 

♪よろしく絶望(ベートーヴェン)

♪私を燃やす愛(エリザベート)

♪天使も悪魔も

ルードヴィヒが自嘲と諦念を湛えながら歌う「絶望よ またお前か」が好き。昨年演じた5作からの曲が多くて、特に直前まで演じていたルードヴィヒは特に役が感じられる気がした。

続いて、かなりおしゃれなバンドアレンジで聴く「私を燃やす愛」。天使と悪魔からの連想だろうけど、アレンジも「天使も悪魔も」に寄せていて面白かった。

そのまま緩やかに曲がつながる。いちばんテレビでも歌ってた曲だけど、R&Bの後ろノリも私的な関係の歌詞も新鮮で好き。

 

♪El Tango De Roxanne(ムーラン・ルージュ!・ザ・ミュージカル)

MCで曲明かされないまま続いた5曲目、ダン!と印象的な入りとともに曲調が一変。会場がざわっとした。真っ赤な照明に影になった姿が浮かぶ最後がかっこいい。

 

ここでMC。本当はロクサーヌと次の曲がテーマとしてセットだから続けて歌いたかったんだけど、さすがに大変なのでここで一旦喋ります、とのこと。

 

♪タイムテーブル

一転して可愛いポップな曲。君になら差し出してもいい、はポジティブな頃のクリスチャンだなと思ったりもした。

 

♪Lost In The Night

♪Chandelier(ムーラン・ルージュ!・ザ・ミュージカル)

夜の中トランス状態になるような曲くくりの2曲。

疾走感のある英語詞の「Lost In The Night」はいろんなところで「難しくて練習しないと歌えない」って言ってたけど、実際の生歌で聴くとまた新鮮でかっこいい。今回全体を通した演出として背景のLEDパネルに流れる映像が印象的だったんだけど、この曲では流れていく街灯や道路が気持ちよく楽曲とはまっていた。

Chandelierは、たぶん本物のMR!背景だったのでは??それもびっくり。歌い上げる曲で圧倒的にかっこいい。

 

【ゲストコーナー】

ここまできちんと「アーティスト然とした大人のコンサート」だったんだけど、

byMYSELFからの刺客たちが登場!!

ひとりずつ呼び込みで、まずは20周年コンサートで唯一公演ができたゲスト、浦井健治さん!出てくるとかっこいい衣装ジャケットにグッズのステッカーがペタペタ、胸ポケットに芳雄アクスタがちらり。

「なんか仕込んであるな?衣装さんに怒られるよ!」「衣装さんもノリノリでした!」

10年前のStarS武道館コンにも触れて、「あの時はお客さんのことホタルイカって言ってましたけど、今回は何ですか?」「う~~ん……ガーデン!!」「緑だから??」みたいなくだりもあり。

 

♪Luck be a lady(ガイズアンドドールズ)

そんな浦井さんとLuck be a lady。「スカイが歌ってるとき僕は万里生くんと踊ってました」

よしまりが向かい合わせのトップコンビなら、よしけんは横並びのデュオって感じがするんだよね。ちょうど赤と青のジャケットでかっこよく歌うお兄さんたちのシンメ感が好き。

 

浦井さん一度退場。「また出てきますよ、これで終わりだったらさすがに浦井くんファンに怒られる」

 

続いては、我らがプリンセス万里生。サラブラウンの救世軍コートをモチーフにしたジャケットコート!綺麗なプリーツ?が入ってて、回るとふわっと広がって中のスパンコールがきらめく作り。「今回のテーマは【芳雄さんにときめいたらくるりんぱ】です!」「テーマとか聞いてねえけどな」

今回のは本当に舞台衣装みたいで素敵だ!個人的には中のブルーベストも好きだった。背中の「PRINCESS HEART」ってチャーム見せてくれたらひっくり返ってて、ちゃんと表向けようとしてくれる芳雄さんの指がカメラで抜かれててかなりきゅんだった。

 

♪初めて知る想い(ガイズアンドドールズ)

そんなマリブラウンとはサラとのデュエット。「明日サラ本役の明日海さんが来られて同じ曲を歌っていただきます。一応サラ総選挙ということで」「決定権は僕にあります」って、初め万里生くんが言い出した総選挙ノリを芳雄さんが気に入ってるの本当に好き。

ラジオでも歌ってたデュエットだったけど、実際に歌ってるところ見ると距離感にかなりときめいてしまった。歌ってる間は本当にラブを感じるの、関係性でもあるし俳優だなあと思う。

 

浦井くん再登場で3人トーク。CFAで共演中のふたりからどうでもいいLINEが山ほど送られてくるらしい。「万里生は詳しい説明ついてくるからともかく、浦井くんのは写真だけ送られてくるから訳わかんないんだよ!」「筋トレしてる和樹くんが合わせ鏡で無限に増えてる映像いる?」

あと散々ガイズの曲歌ったあとに「ふたりはCFAで初共演だよね?」って言って2人から総攻撃食らってて可愛かった。過去を忘れて生きる男。

 

♪プリンスメドレー

ルドルフ(エリザベート)~フェルセン(マリーアントワネット)~王子(シンデレラストーリー)というそれぞれ同役を務めた組み合わせで歌いつなぐメドレー。歌ってない片方も、マリーとして引っ張り出されたりハミングで参加したり、自由で好き。そして最後は3人で肩組んで明日への階段!この3人の来し方を感じてものすごく良かった。

 

この時点でだいぶ押してるっぽい中で「まだ歌う曲がある!」ってごねる万里生さん。「もう時間ないんだよ!」「会場がこの曲はダメって言ってた」って言いつつ「わかったよ、もう時間ないから歌うよ!」って折れるひとくだりがありつつ、謎の名曲プリンセス・ハート!

 

♪プリンセス・ハート

 「ラジオで流しそびれた芳雄さんが歌詞にツッコんでるバージョンがやりたい!」というプリンセス万里生のご希望によって、マイク持って全歌詞にツッコんでいく芳雄さん。おかまいなしに右に左に連れまわす万里生浦井。万里生くんが私物のスレイベルを鳴らすと、浦井くんは「芳雄さん」貯金箱を持って500円玉を響かせる。本当にカオスで健康になる時間でした。WOWOWで流れるかどうかだけがずっと心配です。笑

芳雄さんの話をするごとに500円払う貯金箱は結構たまってそうだったけど、「それ今日俺にくれるの?」って聞かれて「まだだめ!」って抱きかかえる浦井くんが可愛い。

 

バイマイカラー一色に染め上げたゲストとともに、芳雄さんも一旦退場。

 

【映像】

コンサートについてのインタビュー音声が流れる。今回アルバムタイトルにもなっている中学の海外在住時代の語り口が一切ぶれないのが個人的には好きで、でもそれがあって今があるんだなとも思う。最後の回答の少し微笑んだような声色が好きだった。

 

♪無題の詩

♪The Gypsy(ジェーン・エア)

蓬莱さんが舞台の芳雄さんをイメージして書いた「無題の詩」と"演じる"つながりの2曲。The Gypsyは劇中では最後までブランケットをかぶっているので、素顔を見たまま聴けるの嬉しかった。

 

♪Diary

♪ライフ

♪運命はこの手で(ベートーヴェン)

アルバムの中でも可愛らしい2曲。こういう朗らかな曲は本当に歌声が映える。

「運命はこの手で」ベートーヴェンの中でも力強く進んでいく曲で好き。

 

♪Make Them Hear You(ラグタイム)

♪記憶の庭

【奪われる】2曲。「Make Them Hear You」は表情のすべてにコールハウスを見てしまい、作中の感情がフラッシュバックした。

 

♪The Only

♪シャイニングスター(リトルプリンス)

「シャイニングスター」はコトリンゴさんと大貫さんの連弾。星空のようなきらきらした演奏で、いつ聴いても壮大でキュートで特別な曲だ。

 

♪あなたに贈る海風

アルバム最後の曲。コンサートに来られるはずだった大切なお知り合いのお話に触れてからの歌唱でした。優しくて静かな最後の曲。

 

【アンコール】

♪雨が止んだら

去年の日比谷音楽祭で桜井さんが作られた曲。個人的には、前回の配信ライブ以降さらに一段階大きいものを背負うポジションをまっとうしているように見える芳雄さんを象徴するような曲だなと思っていて、コンサートで聴けて嬉しかった。

 

♪ぼくは人工衛星

なんと撮影OK!でもライブで盛り上がりたい気持ちもあり、左手でスマホ固定しながら、右手でペンラ振って目で芳雄さんを追ってました。みんなのうただけあってこの上なくキュートで、ステージ動き回る芳雄さんも可愛い!

最後「みんなほんとにすごい撮るじゃん!笑」って言いながら退場していった。笑

そんな終わり方!笑

 

 

アルバム曲のテーマとそこから連想するミュージカル楽曲、というコンセプトのおかげで、アーティストの姿もミュージカル俳優の姿も存分に堪能できたコンサートでした。

 

今回のコンサートに関連して、全国4都市のTOWER RECORD CAFEでコラボカフェも開催。辛さにこだわったカレーとか麻婆豆腐、井上家に伝わるチーズケーキ(おじいさまのお姉さんがアメリカ留学時に持ち帰ったレシピ!)など、どれも美味しくて、普段の観劇やライブに比べて日常に感じられる楽しさがあって新鮮だった。

 

いつまでも応援していて楽しい人だなあ。これからも応援しています。

2024「カムフロムアウェイ」

解禁時からあまりにオールスター大集合なキャスティングで話題になっていた作品。100分間でくすっとするところも哀しいところもいろんな瞬間が胸に詰まる、人間の物語だった。

 

島の人と飛行機の乗客、別の飛行機の乗客まで全部12人で演じるんだけど、演出と役者の力でするすると見られた。オズが駆け込んできて管制塔に切り替わる瞬間があまりに鮮やかで、穏やかな島の日常が停止する実感とともに涙が出てくる。

 

安蘭けい

少し日常に疲れた都会の女性を演じさせたら右に出るものはいないとうこさん。ニックと一緒にいるときの大人の振る舞いとキュートさのバランスが最高だった。たくさん見てきた禅さんとのツーショットが初めて成就した気がする。

クリスタルも意外なキャラクターだけど、ああいうぶっきらぼうな店員さん絶対アメリカのドラマに出てくるよね。

 

石川禅

メインキャラふたりとも女性に気圧されながら愛情深い人。こういうキャラ演じさせたら右に出るものはいない。非日常で新しい出会いを迎えるサラリーマンと、信念のある妻におろおろしながらちゃんと心配してフォローする夫を、大きく声色やキャラクターを変えたりするのではなく描くのが禅さんという感じがした。

 

浦井健治

私はガースがかなり好きだった。島でストを主導して町長と議論する男だからこそ、有事の際にちゃんと動いてくれるんだよね。アフリカ系乗客との聖書のエピソードが胸にしみる。

ケビンTは状況に適応できる人。優しいからJを連れ出して元気づけたいと思うんだろうけど、適応できない人もたくさんいるんだよね。ただ毎回恋人を秘書にするのは、なかなかどうかと思うぞ!笑

 

加藤和樹

ボブ、等身大の若者を演じる和樹さん初めて見るかもしれん。笑 私はいちばん自分に近い存在のキャラクターに感じて、ガチガチに警戒していた心が少しずつ緩んでいくさまに、自分を省みる気持ちになった。あの経験を経て、寄付を主導できるボブは強いよ。BWではブラックの俳優さんが演じているそうで、それはまた感じ方が変わるのかもしれない。

そしてアネットの空想の産物「ブリストル機長」!オタクの「理想の加藤和樹」すぎて毎回手を叩いて笑ってました。

 

咲妃みゆ

ネームドじゃない細かいキャラクターがいちばん印象に残ったのがゆうみさんだった。ウォルマートの店員さん、乗客のショーガール、あと飛行機に乗った動物たち。

ビバリーの飛行機のCAは、今我々から見ると属性で過剰な警戒をして差別につながる人であるんだけど、じゃああの日の飛行機の乗務員として非難される行動かというと、少なくとも我々にその権利はないよなあと考えて、難しい。

ジャニスも自分に近い存在のキャラに感じた。5本の指に入るくらい好きなシーンが、支援を求めて「可能な方はライオンズクラブにトイレットペーパーを持ってきてください」って呼びかけた直後に「もうトイレットペーパーを持ってこないでください」のところ。すごい端的に土地柄が分かるくだりで、あたたかくて笑ってしまうし、ジャニスの絶妙な間が好き。

 

シルビア・グラブ

ボニーの「こういう人いる!」の解像度が高すぎる。ちょっとつっけんどんだけど、自分の考えるやるべきことのために動ける人。ボニーのオリジナルキャストの方がなんでもやる人だったから、担う役の数がすごく多いらしい。Prayerでゆうみさんとやっていたヒンドゥー教徒の歌声が好き。

 

田代万里生

ケビンJは適応できなかった人。心が付いていかないときに、そばにいてほしい人がどんどん先に進んでいくのつらいだろうな。Tは気遣って連れ出そうとするけど、一緒に閉じこもってほしいわけじゃなくて「僕は無理」を理解してほしかったのかなと思った。弟と電話してるときの、ちょっとくだけてほっとしたような声と表情が好きだった。

もう一役のアリ。彼になされたことがひたすら事実のみ描写されるのは、アメリカで作られた作品として誠実だと思った。最後のボディチェックのシーンの声色が壮絶。

普段観劇しない家族と見に行ったら、普段散々顔も声も見せられてるはずなのに、終演後に「あのアリは誰がやってたの?」って聞かれたので、本当に演じ分けってすごいんだなと思いました。

 

橋本さとし

クロードは、普段からああやって町民と距離が近くて寄り添ってる町長なんだろうなってイメージできる。さとしさんの人柄も透けて見えるようなキャラクターだった。ボブと仲良くなるアップルトン町長の距離感も好き。

あと個人的には、持ち合わせなくて寄付断るけど後に小切手突っ込む乗客が好きだった。あの人最初にニックのこと足で邪魔する人と同じなんだとしたら、彼も5日間でちょっとだけ変わったのかな。

 

濱田めぐみ

もう本当にめぐさん無双。凛々しくて職業人として最後までまっとうするビバリーと、夢想家でふわ~っとしてるアネットが別人だった。

Me and the Skyが本当に素晴らしくて、これまでの人生がすべて映像で見えるような歌唱。ついに女性たちが味方になってくれたところで、女性キャスト全員が立ち上がるのに胸が詰まった。最後帰国できたときの楽曲が大好きで、めぐさんの「USAェ~~~!!!」のぶちあがり部分に毎回沸いていた。

アネットはセクシーブリストル機長とスタイリッシュ心臓外科医たちを生み出してくれた感謝。笑

 

森公美子

Costume Partyで、これは転機かもと思えるTとダイアン、こんなところにいられないと思うJとハンナの対比が苦しくてつらい。自分も動けないし誰も何もわからないときに、だからこそ気持ちだけがはやるの、本当に苦しいんだよね。

あとヘラジカ待ちする運転手も好きでした。

 

柚希礼音

ビューラが本当に似合う。しゃきしゃきしていて明るくて誰に対してもリスペクトを持って接することができる人。この作品におけるガンダーの「あなたが私でも同じことをしたでしょう」の象徴のような人。同じことをする自信は正直ないけど、こうあれるようになりたいと思えた。

 

吉原光夫

今作の中でいちばん好きなのがオズだった。あの体格で警官という職業で、ケアの能力に長けた人なの、これも象徴的だなと思う。ビューラとアネットに頼まれていろいろおつかいしに駆け回るのも良いし、Jとボブに帰りたいって質問されてう~んって考えながらちゃんとルートを教えてくれるの、絶対に相手を否定しない人なんだなと思って好きなシーン。

ラビが光夫さんなのも良かった。控えめで穏やかな聖職者。あとはヘラジカ待ちの運転手。好き。

 

 

楽曲もどれも素晴らしかった。

息子を思う母、その彼女に寄り添う新しい友人、長年隠していたアイデンティティを偶然出会った聖職者に吐露できた島の人、それぞれが違う方向を向いて祈りをささげるPrayer。理解と受容がテーマの今作の核のような楽曲だなと思った。

あとはもうとにかくScreech Inが好き。ひたすらの高揚感。バンドがしっかり前に出てきて島の民として演奏するのも好き。

なんとか楽曲だけでも残せないものでしょうか……。

 

素晴らしい日本初演に立ち会えて幸せでした。きっと再演される作品になると思うけど、この初演の熱気も大切に覚えていたい。

2024「北海道フードフィルムフェスティバル プレイベント」

そろそろ札幌に行きたくなったところで良いイベントがあったので、久々の北海道。

そらのレストラン上映会&アフタートークと、シネマディナー。

 

そらのレストランは本上映時以来に久しぶりに見たんだけど、昔より刺さっちゃって各所で泣いた。食のおはなしではあるけど、お仕事ドラマでもあるなあと思った。仕事との付き合い方とか大切な人がいなくなったときの整理の仕方とか。

 

上映後に大量にプレスが入ってきて規模の大きさにびっくりする。

久仁ちゃん司会で洋ちゃんと本上さん登場!サンセバスチャン映画祭も食の映画で、サンセバの思い出を一通りトーク

その後山の会から村上さんご夫妻と富樫さん(マキタさんモデルの方)もご登場。ご夫妻の実際のなれそめ聞いたり、富樫さんの民宿に本上さん一家で遊びに行ったらたまたま大泉家もいて、みんなで遊んだ思い出話聞いたり。みんなで海辺でモルックしたそう。

その後フォトセッション。カメラさんたちの要求に応えながらひとりでずっと喋ってる。

最後ご挨拶してトークショーは終了。

 

シネマディナー参加勢はスタッフさんの誘導でバスに移動。この辺り手探りでスタッフ総出でやってる感じがしてキュンとした。がんばれCUEさん。

 

そのままバスで大倉山へ。ヌーベルプース大倉山。

ウェルカムドリンクと前菜取って席に行くと、後ろにプレスがずらっと。もっと観客がご飯食べて終わりみたいな企画だと思ってたので、最後を締めくくるメインイベントでびっくりした。

映画祭の主催である札幌市から市長、道新から社長がご挨拶。22年に企画の相談があり、やっとの実現とのこと。乾杯の挨拶は亜由美社長。しあわせのパン公開時に周辺のパン屋からパンがなくなったことがあって、ずっと食と映画のイベントがやりたい、北海道ならできると言って回っていた、とのこと。熱くて素敵なご挨拶でした。

 

その後はコースが提供されながら、正面のステージでシェフや生産者の山の会の方々のお話を聞くような流れ。

メニューは以下。映画で提供されたメニューを踏襲していてすごく美味しかった。

 

前菜:村上牧場 "希少部位牛トンビ"のカルパッチョ 山本さんの"アルパージュ36カ月"

→これがどっちもめちゃくちゃ美味しかった。coronのパンとチーズの相性が良い。

 

スープ:富樫さんの大豆のスープ ふきのとうの泡

→大豆のスープって飲んだことなかったんだけど、確かに大豆の味がするポタージュで美味しかった。

 

サラダ:"若気の至り"~FLOWER GARDEN~

→イッパチでメニュー開発していたらしく、ハチャメチャなメニュー案からシェフがいいところだけ抽出して作ったらしい。お花畑みたいな綺麗なサラダ。

 

とここで、洋ちゃんと本上さんがサプライズで再登場!サラダご紹介の小噺。完全に手が止まる客席に「ごめんなさいね、食べてくださいね」って言ってくれるも、無理!って客席。

この話をしてる間、ずっと入り口で洋二さんが立ってトークを見ている。スタッフに促されてステージにあがってきて「私がいると他局に迷惑かかるでしょ」「あなたはもういいのよ、北海道の珍獣みたいなもんだから」などガヤガヤ。サラダ食べ始めた客席に「今まで胸がいっぱいで喉を通らない!って言ってた人たちがあんた出てきた途端に食べ始めましたよ」とか言って完全にYOYO'Sの時間だった。

テーブルが入り口付近だったのでステージが見にくい代わりに出入りで近くを通ってくれて嬉しかった。

このあとなぜか洋二さんと話す機会があったんだけど、さすがベテランアナウンサーってすごいんだなと思う気遣いと素人コントロールの人だった。

 

魚料理:"マーレ旭丸"せたな沖サクラマスポワレ 菜の花のリゾット

→クセがなくて美味しい。

肉料理:北海道大学より"マトン"の炭火焼き せたな産さやあかね

→映画の通り、確かに香りはあるんだけど全然嫌ではなく、すごく食べ応えのあるマトンだった。

デザート:"自家製"函館ミルクのアイスとイチゴのヴェリーヌ

→ちょうどよいパフェ風アイス。綺麗で美味しい。

 

テーブル同じになった人と喋ったり、なぜか混ぜられていたプレスの方としばし交流したり、楽しい時間だった。非日常とごはんと周りの歓談の声とでなんかふわふわ。

 

勢いで取ったチケットだったけど、良いプレイベントに参加できてよかった。

11月の本イベントも素敵なものになりますように。