みなも泳ぐ水鳥も

観劇と他の趣味

2023「Moulin Rouge! The Musical」

プレ初日から観劇できて、初見時はオーソドックスなラブストーリーで有名楽曲と派手なショーを楽しむ作品だなと思ってたんだけど、見るたびに登場人物の感情に揺さぶられてみるみるハマっていった。あと洋楽詳しくないけど、知ってる曲たくさんあって楽しかった。

ショー形式のカテコも含めて一般的にイメージされる「ミュージカル」っぽくて、有楽町日比谷巻き込んで街ぐるみで盛り上げていたし、ハレの日のイベントとして普段観劇しない層にも届くと良いのではと思った。のだけど、3ヶ月でミュオタが盛り上がりきったので、来年はチケット取りにくくなるかな。


プレショーではハットの紳士やショーガール、男性パフォーマーのツインズがうろうろ。席近いと目線もらえたりする。どこかの回で見た年齢差と身長差のあるツインズがすごく良かった。
ストーリーは好みあるんだけど、そういうお話なんだと思って見たら見どころたくさん。クリスチャンのハッピーエンドを信じて、現実に苦しんで、拒絶されて思い詰めて、の顔!声!表情!!!コミカルでキュートな1幕と激情の2幕それぞれの良さがあった。


以下主に芳雄クリスチャン回の感想。

【1幕】
プレショーで醸成された空間に溶け込むようにするっと現れる芳雄クリスチャン。ネオンをあげるときにうっすら微笑む。
モンマルトルに入るまでは先の時代のクリスチャンなのかな。サティーン呼び込む前にジドラーと目合わせるのも時の流れを感じる。よく考えるとジドラーとクリスチャンってそれほど付き合い長くないんだけど、特にさとしジドラーと芳雄クリスチャンだと役者マジックもあって、サティーンとの一件のあとも交流があったんだろうなと思わされる。

 

ティーンのパフォーマンス後に、すっかりやられて緊張でクラクラしてるクリスチャン。サンティアゴが通りかかったケースから酒瓶拝借してクリスチャンに渡すと一気に煽る。クリスチャンをくるくる回してバーテンダーから隠すサンティアゴ可愛い。
Shut up and Danceめちゃくちゃ楽しくて可愛い曲で好きだったな。頻繁にこっち向く振り付け可愛い。

 

みんなコメディどんとこいなメンバーだから、象の中のコミカル芝居がめちゃくちゃ面白い。クリスチャンとサティーンの最悪のすれ違いコントが毎回テンポ感がすごく好き。特に望海サティーンの打ち返しが高速で、会話のテンポが加速していく感じする。
Your Song本当に良かったな。愛情をまっすぐ届ける歌唱なんか専売特許だし、それを受けるサティーンもキラキラしてて、運命の出会いの説得力。最初やはり年齢が気になってたけど、このシーンで年下の夢見る青年がばちっと決まる。思い入れも込みで、芳雄望海のデュエットが本当にアツい。ふたりの声が溶け合うんだよな。
あーやサティーンだとキスするときにクリスチャンがはちゃめちゃに腰落として膝曲げてて、身長差にきゅん。キスされて、わわって困ったあとそろっと背中に回る手、離れたあとのとろ〜んとした顔が年下すぎる。可愛いにもほどがある。
途中からキスしたあと、ロートレックに見てもらって可愛い顔でしっかり口紅拭うようになってて、その顔閣下に見られてるの分かってる???と思った。無自覚年下男の罪深さ。
公爵巻き込んだプレゼンシーンも全員面白い。ちゃんと巻き込まれる閣下も可愛い。

 

Your Songの今恋に落ちた表情も良いんだけど、Elephant Love Medleyの「僕は君が好きで君も僕が好きでしょ?」みたいなぽやっとした微笑みも好き。サティーンがどれだけ離れようとしても意に介さなくて、ふたりが想い合っていることを疑わない顔。
逃げ回るサティーン追いかけて、ミラーリングで真似っこするクリスチャン可愛い。

1幕でサティーンの方が「私を見て」って言ってるんだな。クリスチャンから離れるために言う「私を見て」と、最後にクリスチャンから離れようとするサティーンに向かって言う「僕を見て」なんだな………。

 

【2幕】
BadRomanceでサンニニが絡み合ってるのを途中から入ってくるショーのメンバーが「はあ、またやってんの」みたいな感じで見てるの好き。

2幕頭の稽古で、ジドラーの大根芝居見ながらショコラとクリスチャンががやがやなんか話してるの好き。稽古場ではすこぶる棒読みなのに、本番では普通にシェイクスピアみたいになるジドラーがさすが。

キレて出ていったクリスチャン見ながら、あいつ何だ?みたいなことオフマイクで喋ってる閣下。あのとき既に気づいてはいるんだろうね。

ティーンから稽古場での態度をたしなめられたときの「なんで?受け入れてる!」の言い方がすごく好きだった。自分の中では我慢してるつもりの若者の拗ねた喋り方。

閣下がサティーンを脅して「あの美しい顔を切り裂いてやる」って言うけど、閣下も美しいと思ってるんだなってちょっとだけ微笑んでしまう。

Crazy Rollingが凄まじい。怒りに身を任せて感情が噴き出す表情と歌唱。怒りと悲しみで我を忘れていて、顔全体で目を見開く。お芝居で目の形が変わるのが本当に好きなんだよな。ああいうしぼりだす絶望の表現が本当に好き。
見くびるなら覚えておけ、で手叩くのオペラ越しに食らってぐぅってなった。

最後のサティーンとロートレックのシーンがすごく好きだった。物語ではそれほど語られないけど、お互いすごく大切なんだろうなって分かる。少し年上のお姉さんだったサティーンを遠くから見ているロートレック少年が見えた。

怒り狂って絶望して、準備してる中でどこか冷静になってきて、彼女の前に出たら感情が抜け落ちたみたいにぽつぽつ喋るの、リアルで好き。

崩れ落ちる彼女を支える体勢が足なっがい。意識を手放していくサティーンに、泣きながら顔撫でて、張り付いた紙吹雪よけて髪すくって、愛を伝える。

1幕の希望に溢れたキュートな顔も、2幕壊れていって大切なものを失う満ち満ちた感情の起伏も、好きだったな。

 


プレ初日をやったElephantチームを主で取ったけど、Wキャスト全員見られた。

しょまスチャンは本当に若くて可愛い。まっすぐさとそれに比例する視野の狭さ。1幕のキラキラキュートな若者の説得力たるや。
"Dance Hall"とか"Singer Song Writer"の発音がめちゃくちゃ良いのはアメリカ人の役だから??冒頭のモンマルトルズ登場するところがちゃんとクリスチャンの人格。芳雄クリスチャンは拍手煽ってる最中は7割芳雄さんだったので。笑

あーやサティーンは望海さんと別路線の唯一無二性がある。ダイアモンドの洋楽的なノリがショーそのもので素敵。このディーバにパトロン相手の仕事させんなよと思ったけど、喋り方とかを見るとけっこう割り切ってやっていそうと思った。望海サティーンの方が常に13歳の自分が心にいる印象だった。

がうちサンティアゴ、かっこよくてダンスがめちゃくちゃセクシー。

上野ロートレックめちゃくちゃ好きでした。芸術家の体現者。上野さん勝手にバリトンの方だと思ってたので、台詞の声が高くて驚いた。すごく好きな声。

松村ジドラー、可愛げと品があってお調子者すぎないダンディーなジドラーだった。対サティーンに対しても父性が強めな印象。さとしさんは戦友っぽい。

ニニたち初日近くはフレッシュだなって印象の方が強かったけど回を追うごとにお芝居パートが好きになっていった。今後もいろんな役で拝見したいな。

智海ベイビードールが可愛い。歌の印象が強いけど、ダンスも上手いんかい。


物語としては、デュークとロートレックの部分が好きだった。
デュークが稽古場で言う「ド派手なプロレタリアショーに金を出す私の立場を考えてくれ」という台詞をずっと考えていた。
ロートレックも貴族の援助がないと自分の作品が作れないことは分かってるし、サティーンもムーランルージュを守るために閣下の好意を利用している。でも媚びへつらっては芸術家として立っていられないから対等な立場を守ろうとするし、「自由の国」から来た無垢な青年に期待をかけたのかな。そういう意味でもサティーンとロートレックは似ている。この「ずるさ」があるので、最後のサティーンとロートレックのシーンがすごく響くのかも。


以下各観劇日の記録。

■プレ初日
ロビーが人、人、人。キャスボ大行列。
劇場真っ赤で両サイドに大きい象と風車。音楽もガンガン流れてる。これはたしかにすごい!!!喫茶室も赤い!!

プレショーに合わせて早めに座ってたら関係者たくさん入って来るし、しまいには斜め後ろにWキャストの皆さんが座られて、気が気でなかった。

カテコでバズラーマン監督登場。名指しでHe is funny!って褒められるさとしさん良すぎた。

■7/9(芳2貸切)
2階で定点していたのもあって、すごく表情とか見えて、あまりにかっこよくてふわふわ。

■7/22
今回の中でいちばん前方。風車の下での観劇。
fireworks中に額みたいなセットがぐわんって揺れたと思ったら一時中断。10分くらいで復活して、サティーンの部屋から再開。
クリスチャン入ってきて「すごく遅くなってごめん!なんか迷っちゃって!!」

カテコcancan前のジドラーのご挨拶「皆様、本日の"3幕"のショーはお楽しみいただけましたでしょうか?」

ティーンお着替え後に大きい帽子落ちちゃって、被り直すの難しそうだし自発的にかぶったら意味が発生しちゃうしと思って見てたら、稽古場着いたところでバッグと一緒に手で持ってたサティーンから閣下がすっと受け取って持ってくれててきゅん。
プロレタリア作品の稽古場にあの帽子とバッグの滑稽さいいよね。

カテコで伊礼彼方のハート食らって、上川さんのトリプルターンを目の当たりにして、物語の余韻吹っ飛ぶくらいテンション爆上げ。

■7/29 マチネ
芳雄クリスチャン見納め。
カテコ、サンニニから投げキッスの流れになり、芳雄さんとあーやではけるときに投げキッスしまくって、最後ふたりで大きいハート作って退場。可愛い。

■7/29 ソワレ
イープラス貸切でご挨拶あり。隅田川花火大会の日。
しょ「1幕ラストで今同時に花火あがってんだなロマンチックだなって思いながらやってた」
の「あれロマンチックだなってことだったの?なんか1幕終わった瞬間に『今日花火なんっすよね』とか言われたからもう違う話するの⁉︎と思ってた」

しょ「花火ね、川でね……皆さん川よりこちらを選んでいただいてありがとうございます」
ずっと"川"って言ってるかいしょーま。

の「e+と言えば??」
しょ「え⁉︎えっと、プラみですか」
の「そうプラみ!!」
こそこそ喋ってる伊礼松村
い「はい!プラみって何ですか」
の「e+貸切の広報キャラクターです」
い「へ〜俺けっこうe+と癒着あるのに知らなかった」
最後みんなでe+ポーズで締め。ゆるゆるでよかった。


楽しい夏でした。また来年ちゃんと見れますように。