みなも泳ぐ水鳥も

観劇と他の趣味

2023年見たものまとめ(1月)

チェーザレ明治座

2023年観劇初め。オリジナルミュージカルの中では好きな方だった。このくらいスケールでかい話が好きなのかもしれない。教皇選の権力闘争が根本にあるけど、メインは学生のお話なので見やすい。
大輝アンジェラ、ふわふわ天使髪が新鮮で可愛い。
ダンテのシーンが藤岡正明劇場だった。別の時代の人だからスポットの登場なんだけど、いる意味がわかる。ダンテとチェーザレの精神的対話シーンがたっぷりあるのは原作準拠なんだろうか。とても見ごたえがあってありがたかった。
親世代がすさまじく強い。特に岡様が歌い出すと空気が変わる。俗にまみれたザラっとした別所さんと綺麗な(だけではないだろうけど)メディチの今さんも声でキャラクターが見えて面白かった。

終演後にケンチさんのスペースであっきー藤岡さんと歓談してるの聞いて、LDHオタクのわたしが泣いた。わあわあ喋って「こんな性格だからEXILEにもCHEMISTRYにもにもなれなかったんですよ」って言う藤岡さん、鋭角すぎて誰も正解の反応できない。笑

 

エリザベート@博多座

north-th-east.hateblo.jp

 

東京ラブストーリー

歌とダンスがかっこよかった。曲がかっこいいっていうのは正義だな。年明けからオリジナル、超再演もの、オリジナルと見ているけど、リプライズあるとミュージカルって感じがする。ダンススキルで固めただけあって、後ろのパフォーマンスが軒並みすごい。

リカさとみの旅立ちの曲と尚子のソロがすごくよかった。もともと設定変えてるんだし、女性陣を軸に原作にこだわらず書き直した物語が見たかった。
水の合わない国を出る行動力はあるのに、地元志向の男に生き方否定されて都合よく去ってあげるリカと、長年アプローチしてくる割に別の女に構う癖をやめられない男から離れたのに別の男の"待つ女"におさまるさとみの話を今やる目的は何だったんだろう。途中で別れたカップルも最後完成したカップルも相手を選んだ理由がまったくわからず、世の中のラブストーリーがメインカプのままくっつくか、本命も対抗馬も選ばずに一人前に進む話ばっかりなのは理由があるんだなと思った。

ただ、チャラ男と強いキャリア女のカップルが好きなので、三上・尚子カップルに関しては強く言えない。

 

キャストはきっと海の方が年齢的にリアルなんだけど、リアルな20代がこの物語演じるといろいろ気になってしまうんだろうな。空の方が芝居の貫禄も込みでファンタジーというか"お話"として見れた。お芝居の安心感ももちろんあるんでしょうけど、正直社会人3〜4年目には見えないところがこのなんとも言いがたい物語を薄めてる気がする。いろはふうかだと、うちの子に何してくれてんねんって気持ちになるので……。

龍臣くんのお芝居が好きだった。ふうかいろはは可愛くて歌が上手い。旅立ち曲で並んだときの魂の双子感が強くて、ふたりとも変な男たちから守られろ……って念じた。あっくんさんはすさまじく顔が良くて、チャラっとしたキャラクターが非常に合っていた。

廣瀬三上はちょっと引くくらいかっこいい。56人でバチって廣瀬三上に視線もらって早々に57人目になっちゃった。海三上はまだやたら距離近い人って言えなくはないけど、空三上のあの距離の詰め方はそりゃあんな色気爆盛りで迫ってるの見たらさとみだって怒るよ。

リカとさとみ、ドラマ版準拠っぽいのは空なのかな。ねねさとみは確かに恋人の幼馴染にいてほしくない感じだった。

ワッハッハの歌、柿カンチが歌ってるとかなりシンバ。
柿カンチの「器用に生きろよ」はちょっと冗談めかした軽口みたいだった。それはそれで何のつもりなんだとは思うけど、あの流れで最後に真剣にアドバイスされるときつすぎるので、こっちの方が好きだったかな。

達臣カンチが幕開けからすごい涙目で、最後まで見てラストと繋がるからなんだなって納得したんだけど、それはそれとして寂しくて普通に泣いてたみたいで可愛い。

空カテコ、最後にもう一回呼び出されてしばらくして準備できたかっきーだけ登場。誰も来ないから不安そうにきょろきょろしながら珍しくひとりで投げキッスとかしてたら、出てこようとしてた廣瀬さんたちが止まって袖で見てた。「なんでひとりにするんだよ!」って怒ってて可愛かった。

どっちも俳優さんたちはとても良くて、見にきてよかったなとは思ってる。
古い名作漫画を題材に持ってくるなとは言わないけど、今の時代に今の俳優で舞台化するんだから、わざわざ持ってくる意義みたいなのは見えてきてほしいよ。

そういえば、元は制作発表で歌ってたMetoo曲がテーマの軸だったんだろうか。その展開が丸ごと消えた結果残ったのが、会話の中にだけ出てくる接待を要求してくるまほろば担当者なのかなと思った。1エピソード消えたどころの話ではなさそうだけど、なんだったんだろう。

ジョン王@御園座

冬のライオンの知識だけで乗り切ったけど何となく理解できた。ジェフリーとその友人フランス王フィリップに思いを馳せていた。ジェフリーの妻が玲央さんなのも。

物語としてはひたすら戦争の行ったり来たりで、特別キャラクターが掘り下げられる訳でもないので、見方がわからないまま終わってしまった。
最後の演出も、天邪鬼なので「考えさせられる」と抵抗したくなっちゃう。後味ざらっとさせる効果はあった。

 

1幕後半はコンスタンス劇場。ころころ変わる声色に魅了される。

リチャード、最初の格好で戦場にいると信長協奏曲を思い出す。がっつり殺陣はそれほどなかったけど、木刀をくるくる回す仕草が好きだった。私生児は口が上手くて歴史を変えてくのかと思いきや、どちらかというと振り回される側で、歴史の傍観者の位置付けなのかなと思った。

少年アーサーが人の良さそうな努さんに一目で懐いた瞬間に、後の展開を予想してああ〜〜〜ってなった。ああいう不憫な役が本当に似合う。

歌の演出はあんまり好きじゃなかった。冗談のつもりなのか判断しづらいシーンもあったり単純に歌ってるの見るだけの時間もあって、意識が引き戻されてしまった。