みなも泳ぐ水鳥も

観劇と他の趣味

2021年見たものまとめ(10~12月)

OTO ROCK FESTIVAL(配信)
不思議なイベントだったけど、キャラをかぶりながら素の喋り方がチラ見えしててキュンだった。
関係性性別問わず人にモテるだろうなあといつも思う。
弾き語りまで披露して、ミュージシャン力が高まってましたね。機材野郎の全力が見られる歌うだけ配信も待ってるよ。

個人的には趣味の話でコーティングして、それ以上パーソナルな範囲に踏み込ませない雰囲気が好き。
応援する余地があって、かつばしっと表の顔に線引きされてる人推しやすい。

 

SPERO(配信)

芳雄さんゲスト回。

現役時代のこと全然詳しくないけど、歌はもちろんお人柄もトップの方だなあと思った。

カンパニーの雰囲気がとても良くて素敵。
JPOPパート好き。月光いろんなミュージカル俳優に歌ってほしいな。

 

歌唱力振り切れのおふたりのデュエットが本当に強い。
マイクなしでシャンシャンだけ持って三方礼して涙拭うモーションして無言で去っていく芳雄さん良かった。
"89期のお兄ちゃん"って良い呼称。お兄ちゃんっぽさがにじみ出てて好き。

狐晴明九尾狩@赤坂ACTシアター

二転三転と思ったら追加で四転くらいする本当にずっと知恵比べだった。

利風は、術の才能が飛び抜けている晴明が妖狐の命を守るために突然キレたり本家後継の自分を立てるために一歩引いたりするところを眩しくも悔しくも感じながら見ていたわけで、その記憶にアクセスしているパイは最期にその晴明の魅力である感情だけでも引き剥がしていったってことか……そっか……。それでも涙を流す晴明……。

 

晴明の思惑が語られるシーンの、こっち向いて刀担ぎながらこちらに語るところの表情が好き。
倫也くんはやっぱりあの声色の多彩さが好き。ゆるゆるふんわりとかギャグっぽい声から恫喝に切り替わるのとか超好き。

 

利風様の宮中にいるときのしら〜っとした感じと、ランとふたりのときのちょっとラフなモードと、2幕前半の取り入りモードとそのあとの……といろんな顔が出てくるのでずっと楽しい。振る舞いが雅。

あとタオとの関係、ドラマのドS男を思い出さざるを得ず。さすがに意図したわけじゃないだろうけど。

 

前回この劇場来たときもゆっくんさん刀持って暴れてたな(八王子ゾンビーズ)。
圧倒的太陽属性という印象で今回も可愛い系だったけど、最初の方の殺陣が発生する前段のピリッとした雰囲気も良かった。

過去は知っていて事情には踏み込みすぎないが手を貸してくれるおじさんポジの道満、好き。

 

この辺髑髏オマージュ?と思ったところ。
まず一族皆殺しの復讐に向かう女の子だし、悪平太はあまりにも兵庫。
友の姿をした敵と対峙して、最期に一瞬素顔が見える利風/蘭兵衛。

悪平太の「貴族の言うことなんざ聞く耳持たねえ」
河野さんに「君と一緒にいると死なない気がする♡」

あと元方院様はけむりの軍団の嵐蔵院様の生き直しみたいな役だったので、今回は優しい終わり方でよかった。

他にもいろいろ引用あるんだろうな。


Brilliant Show Theater@幸田町さくらホール
Under the Sea始まったときに一瞬マリエル期待したな〜〜!万里生エリックの王子演出も素敵だったのでOKです。
愛せぬならばの音域の曲、あんまり聞かない気がするけど超よかった。脳がしびれる響きだった。

初代ヴォルフたちの目の届かないところで僕ミュ!万里生さんもまたミュージックだよ……。

我ら生き絶えし者どもオーケストラバージョンめちゃ面白かった。演奏したい。
まりおラウル、ナチュラルにひざまづくし手を取ってエスコートするし、ノーブルでロイヤルなまりおさん久しぶりに見てキュンでした。

みりおんさんクリスティーヌもシシィもしびれるほど良かった。夜のボートいつ聴いても泣きそうになる。

みりおんさんの私だけにのお話とか宝塚と東宝の違いとかヅカ版再現のわちゃわちゃ感とかエリザパートのトークがとても好きでした。

 

GREASE@御園座
歌!!ダンス!!生バンド!!!って感じ。お名前よく見るけどあんまり観劇機会のなかった若者たちと、安心の大人たちの歌を浴びた。
お話は、それハッピーエンドでいいのかサンディって感じだった。
70年代の映画だし改変すべき!って思ってるわけではないけど、過去の名作を今演じ直すことの難しさはあるよなあ。


ダニーとふたりのときのサンディの喋り方がものすごく可愛い。

イケイケグループの中でもギターが好きなあきよしくんとかある程度親切な女性陣とかほっとするところもあった。
めいめいは似たような学校設定の作品でプリティからの役の振り幅よ。


ソーホーシンダーズ@ビレッジホール
カラフルであたたかくて可愛くて超楽しかった!!!好きだ!!!
現実にフェアリーゴッドマザーはいないし王子様がお城に連れてってくれるわけではないけど、見守ってくれる人がいて背中押してくれる親友がいて知識で支えてくれる人もいて、みんなが少しずつ先に進めるシンデレラのお話。

全体的に台詞回しがフラットなのが好きだった。

クロとマリリンのシーンが本当に良くて泣いた。クロ、気安くて聡明で優しくて大好きだった。
あのくらいの温度感の連帯って意外と見ない気がする。全身で支え合わない相手でも救われることはあるよね。

しかしウィリアムも好き。MAならオルレアンが好きだしソーホーならウィリアムが刺さる人間です。
自業自得だけど諦めないで次の理想の人形見つけてほしい。

東山ミツさん、お顔立ちと雰囲気と声がものすごくクリーンヒットするんだよな。

ストーリーテラーなサーシャ、テンションが絶妙で好き。

 

ナイツテイル@帝国劇場

2019エリザぶりの帝劇。
おもろなところも多いけど、褒美として与えられるはずだった女たちが騎士の描くストーリーをひっくり返す物語、好きなんだよなあ。


テーマ曲、劇作の面白さが凝縮されてるよね。現代の俳優が今演じて舞台上にあらわれるシェイクスピア作品、でも結末は変わりますという今作を端的に表してる。

 

話の筋を把握してから見ると、冒頭からしばらくのシェイクスピアらしいところも台詞すべらずに理解できた。

エミーリア、記憶してたよりかなり超速で「顔が良い♡」ってなるんだね。
あいつヴァカだけど顔は良いし悪いやつではないのよね〜っていう恋愛漫画カップル可愛い。

初めて牢屋でフラヴィーナとパラモンがふたりになるところのふっとした感じの表情にキュンとした。眉間の力が抜けてる感じでただちゃんとフラヴィーナを見てる顔。

萬谷さんと中野くんのポンコツふたりが可愛かった。踊れる人の下手なダンスって逆の難しさがありそう。

フラヴィーナが本当に好きなんだよねえ。
期待と諦めと絶望と混ざったような表情も歌声も、手足ちぎれそうなダンスも、エミーリアと手を取り合えたあとの決意の固まった顔も、本当に好き。

 

一件落着チャンチャンのシーンでフラヴィーナ抱き上げてぐるんぐるん回すやつ、本当に可愛くて、可愛すぎてむしろパパと娘感すらあった。
そのあとカテコ?というかエンディング?のハグがぎゅ〜〜って感じで本当に可愛い。アーサイトの一度掴んだものを離さないっていうネタがいたく気に入ったパラモンとフラヴィーナ、最後の大集合のとこでお互いの腕掴んでガンガン引っ張ってて可愛かった。

フラヴィーナを先に見た〜!のとこはパラモンの足元に崩れおちて足にしがみついて泣いてた。

「悔やむ男」いい曲。後悔と自嘲をにじませる歌声が好き。

なんとか映像でも音源でも残んないかなあ、今のキャストの記録残してほしいよ〜。

 

Brand New Musical Concert@東京オペラシティ
「これがすべて」コンサートで単体で聴いたの初めてなので嬉しい。まりおさん映像残るコンサートでいろんな曲少しずつ残していこうとしてる気がする。

和樹さん衣装たくさん。
ジャック風衣装に、2幕の初めの白いビックシャツに、アルマン、ラドゥー。和樹アルマンで出てきたときアルマンすぎてひえってなった。

「二人の男」台詞込みの歌唱でありがたい。めちゃくちゃラドゥーだったしアルマンもアルマンだった。「鏡の中に彼女を見る」のところの声色が好き。
あと闇広って台詞なしで成立するから便利なんだろうなと思った。

まりおラドゥーと和樹ラドゥーのソロ曲の割り振り天才。目の焦点合ってないまりおラドゥーの「戦争に勝つために」やばいし、哀もりもりの和樹ラドゥーもやばい。

 

小柳さんのニューヨークニューヨーク超かっこよかった。今年の頭以来2回目だけどどれもソウルフルで本当に素敵。

藤岡ヘロデやばい、絶対目つけられたくないよ。目以外全部笑ってるみたいな男、好きに決まってる。コンマスさん絡まれすぎて途中で弾くの諦めてた。

「スーパースター」本来の曲よりあっきーの聴いた回数の方が多いので、あれひとりで歌う曲だったかな?って思う。

 

パラパパンパン@シアターコクーン
開演前アナウンスのタイトル言えないネタにふふってなってたのに、本編見ると100%メロディー付きで歌えるようになる。

松さんと神木くんのバディが可愛くてちょうどよくて好き。

神木くん、現実側に根ざしていて呆れつつ振り回されつつみたいな役似合う。松さんのちょっとだめなところ多いけどキュートな役は当然似合う。


リアルタイムで創作して作中人物が動くところが演劇的で好きだった。探偵役が探偵役として存在してるのもミステリー小説ベースな作品で良かった。

作中人物が割と次元の壁を飛び越えて自由にしてる中でコヒさんのスクルージがぶれずに渋くてかっこいい。

あと歌上手い人は歌うし楽器できる人はみんな稼働させてるの潔くて楽しかった。
最近は受け継がれ続いていく作品の割合が多くなってるけど、今同じ国で生きてる作家の作品も好きで楽しいんだよな~。

突然の「蜷川幸雄の秘蔵っ子みたい」な台詞回しはまじでなんだったんだ笑

 

ニュージーズ@梅芸メインホール
若者の歌とダンスで楽しい!
きょもちゃん、儚くて折れてしまいそうなルドルフだったしグループのパフォーマンスも切ない声の印象が強かったけど、今回はユーモアがあって力強いカリスマリーダーだった。ピューリツァーに相対してる時の食えない感じとかキャサリンとの甘酸っぱいシーンが年相応に若者でとても好き。

こーだい先生は目を引くな〜、いると見ちゃう。
片足引きずりながら周りと同じように踊ってて身体能力の素晴らしさもあるし、声色と表情がすごく好き。1幕ラストの連れてかれるところと感化院でのソロにしびれた。


ニュージーズたちはダンスルーツのメンバーが多いみたいだけど歌も気持ちよかったし、もちろんダンスは大変見応えがあって舞台中駆け巡ってて素敵でした。

 

1つ未消化なのは、ジャックにおけるサンタフェはどういう場所で、引き止められたので諦めた、でよかったんだろうか。今ここではない「理想の場所」の象徴で、具体的な生きがいが見つかったからいいのかな。

新聞王の子供コミュニティが登場するとこ好きだったな。ノブレスオブリージュかつ若者の団結な感じ。

 

ディア・エヴァン・ハンセン(映画)
面白かったというのも違うけど、ラストにたどり着くまで美しい楽曲で関係が深まってくの見るほどにつらい!しんどい!ってなった。
現地で舞台見た人によると、設定変わってたり曲減ってたりするようなので、日本版上演も早く決まってほしいな。

Sincerely Meすごい好きな曲。本編の上演決まる前にコンサートで歌って、楽しい曲の印象を裏切ってほしい。
Requiemは昆ちゃんで聴きたいなと思った。


北斗の拳@日生劇場

原作知らないと最初しばらくついていけないタイムがあるけど、バットが出てくると空気が変わる。渡邊蒼くん今後もミュージカルにいてほしい。

黒王号とラオウ登場シーンの構図がかなり髑髏城を彷彿とさせるし、青年ラオウが「俺が道を踏み外したら……」みたいなこと言うし鳥ドクロだった。
ラオウは、少なくとも今作の中では、十分なケアを受けられず生きるために道を違った長男で、そんな兄を救おうとして届かなかったトキとの関係がかなりツボ。

 

イレイ良すぎた……世界観との親和性がめちゃつよだった。

レイとマミヤは本当に良かったなあ。他の矢印が一方通行でめちゃくちゃなのが多い中で、お互いに傷を癒やしあってちゃんと双方向の関係ができていた。
ジュウザは登場後即少年漫画作画ですごかった。あの曲のためだけに作られた森の書き割りは意図が謎だったけど。
登場時間の兼ね合いって事情もあるだろうけど、レイとジュウザがスイッチなのは大切なものを守るために命を賭して戦う男だからだろうな。

 

これまでの拳の使い手が並んでシンクロしていくところは本当に見事。そしてケンシロウ覚醒シーンはこのためのキャスティングでしょうねと思うかっこよさでした。

ワイヤーはちょっと多すぎる気もする。効果としてはレイに殴られたモブが吹っ飛ぶところがいちばん好き。

1対多の立ち回りはめちゃくちゃかっこいいけど、1対1になると場面によってかっこいいか……?となるシーンもある。ガンガン音鳴る対戦と生音のみの場合とあったけど、あれは意図的なのかな?


最終決戦はせっかくだからもっとケンシロウ覚醒時っぽく舞踏に寄せてもよい気がする。宮尾回だけでも。

正直好みは分かれそうだしキャストによってテイストごと変わってきそうだけど、初演の熱は感じられる作品でした。

 

ストーリーオブマイライフ@よみうり大手町ホール

north-th-east.hateblo.jp

 

ライオンキング@名古屋四季劇場
小3とか以来の観劇。

スカーが記憶の50倍くらいセクシーキュートおじさんだった。何のビジョンもなくただ愛されたかった男。
ザズー普通にめちゃくちゃ言ってて好き。
「はやく王様になりたい」子どもの落書きみたいな世界観で素敵。

大人の歌うのしか聴いてなかったので、子どもの声で聴くと正解って感じがした。

さまざまな統治を描いた作品を見てから出会うと、主犯の3匹はともかく、前王の世では飢えていて、自分たちを見てくれた"王"を選んだ異民族まで暴力で排除するのはどうなんだと思いました。