■中川GREEN
ケンケンとあっきーさすがにどうだろうって思って見始めたけど、登場即16歳だったのでさすがでした。
すぴニック、春の頃からフランキーとすごく距離近くて仲良しで、だからフランキーの横にいるのがボブになって自分のいないところでパートナーシップ契約の話立ち聞きしてるときの背中が哀しい。
「まあいいや」を自分でも気付かないまま溜め続けて、アラートが鳴ったときにちょうどフランキーとボブに目の前で締め出された形になって、全部こぼれてしまった印象。立ち位置のマイク持ちながらふたりが歌ってるの眺めて、微笑んでそのまま去っていって、揺れる無人のマイクがつらい。
クリスマスでニックはたぶんまりさんといい感じになってるんだけど、身長差よ。向かい合って手取るときはかなりかがんでるし、バックハグしても頭がニックの胸の高さにあってかなりぐっときた。
右近トミーはフランキーのこと本当に「幸運へのチケット」と思っていて、自分の居場所を求めてしがみついて上にのぼろうとしてる感じがした。
■GREEN
やっぱ4人のバランスで出来上がる作品だなあ。自然でシンプル。地元で始めたグループが大きくなりすぎたとき、誰がどうなってどう振る舞うかのお話だった。
花村フランキー、台詞の声が若くて可愛い。春の頃とか本当に少年。デビュー後の歌もすごく声に馴染んでる。歌も劇中でどんどん上手くなって、ずっと自然で、一生いろんな人の"地元の星"であり続けるんだろうな。パフォーマンスの魅せ方はさすが。
すぴニック、本当に好き。ジョンやポールになりたかった欠片を感じてじくじくする。
「みんなと一緒」だったのに、知らないうちにふたりが組んで、積年の不満をぶちまけてもスルーされて、グループの大事なこと自分の意見なしに決められて。笑顔の伊達男だからこそ裏のままならなさがつらい。
秋の去り際、マイクにキスして袖で拭いていなくなった。最後まで伊達男。
右近ニックは対花村フランキーではお兄ちゃんでいたかった友達だった。ただ得意だったからまとめ役やって、ずっとそのままだと思ってたのに、気づいたら周りに置いていかれてた男。ジップに肩抱かれて振り返って去るところ小さくて可哀想だった。
カテコの花村くんがおもろい。
Walk Like A Manですぴニックのウインクが2階まで飛んできた。カテコのBig Girl〜で2階に向けて「踊って！」みたいにやって、グーってしてくれて最高だった。
■BLACK
BLACKのsilhouetteは恋に落ちた瞬間なんだよな。トミーにとってフランキーは特別だったのにボブが現れてそこが通じあってしまった。
藤岡トミー、暴力の湿度が高すぎる。ジョーイに対して右近トミーはｳｪｰｲってウザ絡みしてる程度だけど、藤岡トミーは尺取って膝入れて床に倒して見下ろして空気が凍るような声でキレてた。その筋の人がスイッチ切り替わったときみたいな声。
本筋でないところでもずっと粗暴に振る舞い女と見ればちょっかいをかける藤岡トミー最悪すぎて最高。
クリスマスの藤岡トミーは階段の手すり両手で掴んで完全ホールドしてて、その後も厄介者というよりしっとり絡んでて色気。喋り出したらべろんべろんだったけど。
耳にキスされて腰砕けるとんボブに、バカ騒ぎするお兄ちゃん2人で、ブラックの方が生々しいパーティーだった。
BLACKはトミーとニックがお兄ちゃんで、トミーはこのメンバーで音楽で成り上がりたかったんだろうなと思った。だから何でもしてきたけど、フランキーとボブが力をつけて実務も回せるようになった今、彼のダーティーなやり方に居場所はない。
ジップとの話し合いのシーン、GREENとBLACKで立ち位置が完全に裏表でびっくり。トミーが「フランキーはこいつの相手を〜」のあと、"ボブ"じゃなくて「ゴーディオも」って言ってて、ファミリーネーム！って思った。ボブ視点では親友だったのに、トミーから見たときの距離感がきつい。
ラストのシーン、踊り場で「街灯の下で歌っていた」当時の存在に戻る瞬間、振る舞いと声色以外に説明要素ないのに、藤岡トミーが明確に若返っていた。
「よし復活だ」って言ってる後ろで、娘迎えに行く元妻と別れたばかりの元彼女がすれ違うの厳しい演出。昔の仲間と鉄の絆である一方で、ひとりで子供全員育ててる元妻に母親の規範を求め、娘に一方的に説教して、新しい家族と「今度はうまくやる」フランキー、明言されないけどまあまあひどい男として描かれてるよね。冬のフランキーの光と罪についてはBLACKの方が色濃く感じた。だからといって光が損なわれる訳ではないけど、フランキーも他と同じく聖人ではない。
演出の変更点で、2幕頭の警察官が訛りがなくなってた。あのシーン、他3人は後ろ手に拘束されてるのにフランキーは荷物持たれただけで、格差がキツい。
今期4公演で若松ジョーイ大好きになった。どつかれてもおどかされてもめげないし最終的にトミーを運転手に雇う彼もまたジャージーボーイズだね。
