みなも泳ぐ水鳥も

観劇と他の趣味

2023「ジキルアンドハイド」

絶対に合うことが約束された好きな俳優でこの作品が見られるの本当に幸せだった。

 

柿ヘンリーの心開いた人に向けた甘えてる喋り方好き。

前半は、理事会で余裕がなくなると攻撃的になっちゃうタイプに見えた。それでいらないことまで言って、味方のはずのダンヴァース卿にも眉を顰められて、手を振り払っちゃってまずいなと思ってる顔してた。

大楽は、♪知りたいの時点で父を救いたい気持ちで覚悟がギラギラにキマっていてそのまま理事会に突入するので、最初から「理解しない連中」への敵対心がすごい。義父へもある程度の感謝と敬意はあれ、基本的には同じと思ってる気がする。

パーティー中、ストライドとの間に割り込んでくれた友人たちにも仏頂面でグラス返すし、ジョンとダンヴァースが人間性云々の話してるときも全然納得いってない顔してる。世界が父とジョンとエマとプール、あとそれ以外みたいな認識。

どん底、ヘンリーは仏頂面しながらルーシーのことちらちら目で追っていて、意識してんな〜って感じ。かっこつけてるだけじゃなくて、本当にああいう場所苦手ではあるんだろう。

ハイドの誕生は、カメラ切り替わった映像を見てるみたいな鮮烈さ。何回見てもハイドに切り替わる瞬間にびくっっとする。

1幕ラストはタイミング的にジキル家を出たルーシーを追っていったら、らんらんランデブー中の司教見つけたのかな。ルーシーに迫ってるところに邪魔が入ってすごいイラッとした顔してた。

対決はとにかくすごい。右と左で人格が切り替わる職人技。ほぼ別人のデュエットみたいだった。

対決も凄まじいんだけど、ラストふたりが曖昧になっていくのも好き。私を見てって頬に触れられた途端みるみる泣きそうな顔に変わっていく。

あの柿ジキルからあそこまでルーシーに執着するハイドが生まれるのなんだろうと思ってたんだけど、ハイド的には優しいジキルに光を感じたルーシーが気に入らないのかな。柿ハイドはジキルと完全に独立した自我を持っていて、自我の確立のために「あいつと俺で何が違うんだ」ってルーシーに詰め寄っていた印象だった。

 

石丸ジキルは生真面目で口下手な科学者。真剣に説明してるのに割り込まれたり馬鹿にされたりしてムッとしてる感じ。

アターソンとはずっと友達だけど、ストライドの間に割り込んでくれた彼らともそれなりに仲良くやってそうだし、エマにもルーシーにもキザなことできるタイプ。
変身はじわ〜って印象だった。ばちん!って切り替わるかっきーも好きだけど、じわじわも中から這い出してきてる感じで怖い。

ハイドは剥き出しの欲望って感じ。ヘンリーが心のうちで思ってたことを高笑いあげながら全部やっていく。元が生真面目な人ほど逸脱している姿が怖くて気持ち悪い。

最後苦しいようなほっとしたような表情で心にきた。れかエマの子供を守る母親みたいな全敵視の表情もつらい。


カズアターソン、全方位型キラキラ生徒会長すぎる。真面目で優しい。
婚約パーティーの花火前にアターソンが戯れでヘンリーのこと指で撃っててモテ仕草だなと思ってたんだけど、ラスト思い出して震えた。

どん底の上川ジョン、一軍モテ男の権化みたいな振る舞いだった。楽しく盛り上がって、女の子が絡んできたらリアクションして、無碍に断るヘンリーの態度にごめんねってウインク。ヘンリーにルーシーの帽子被せるあたりは本当に仲良さそうで可愛い。カズアターソンよりちょっと悪いこともしてきた雰囲気。

 

理事会メンバーへの愛着は回を追うごとに強くなっていた。俳優さんが本当にみんな良い。どんどんいなくなるくだりはテンポよすぎて心の中でゲラゲラ笑っていた。
ストライドが哀れですごい好きなんだよな。ストライドってエマへの執着以外はまあそこそこかっこよくないです?畠中さんがかっこいいだけかもしれんけど。


玲奈ルーシー、強気そうな登場に反して、表情と口調がずっと心許ない少女みたいでつらい。最期、途中までぼんやりしてた正体に♪同情 愛情〜で気づいたのかな。

真彩ルーシー、ショーが男前でかっこいい。
「あたしがあんたの役に立つこと言ったの?」のニュアンスがなんかめちゃくちゃつらくて涙出る。

玲奈ルーシーより恐怖を感じる閾値が低いというか、身を脅かされる状況に笑顔でしか対応できない感じがつらい。
♪私は誰、先生に会って世界が広がった結果、自分のいる場所が不本意だって気づいてしまった曲ですごくつらい。真彩ルーシーはそれまで理解していなかったように見えるので、なおつらい。

罪な遊戯、ハイドに惹かれてしまうとかのレベルでなく1音目からめちゃくちゃ欲望の歌ですごかった。

識字がままならない中で突然渡された手紙読む姿がものすごくつらくて、ジョンはロンドンの外まで送ってくくらいしなよばか!!って思っちゃった。

手紙びりびりに破られて絶望した顔がつらい。真彩ルーシーは最後までハイドが何だったか気付いてない気がした。最後愛する人の名前呼んで息絶えただけに見える。

ダンヴァース、ただただ巻き込まれ義父で不憫。

未来ある若者だし娘婿だから親身になっているが、(感じ悪くて旧来的とはいえ)理事会メンバーにあの調子で楯突くのに同席してるの心が痛いな。

 

Wジキルの楽日も観劇できました。

石丸ジキル、代替わりのご挨拶がシンプルでさらっとしていて、すごく素敵だった。ご挨拶のあと玲奈ちゃんから花束贈呈。最後の公演拝見できてよかったです。

柿大楽、HP0のやり切った顔で全身でガッツポーズして出てきて涙ぶわってきた。
しっかりとした代替わりのご挨拶して、「いつとは明言しませんが必ずお会いできると信じておりますので、今からジキル&ハイド貯金などを始めてみてはいかがでしょうか」周りニコニコ「けっこう貯まるよね」

その後ガンガン拍手煽って、「1階!」「2階!!」「3階!!」「OSAKA!!!」ってロックスターだった。

追い出し曲のあと最後に出てきてエマとハグ!ルーシーとハグ!!ジョンともハグ!待ち構えてたダンヴァースとハグ!プールともハグ!!離さないプール!!!「こういうことしてるから遅くなるんです!」
最後パパがエマと腕組ませてルーシーも呼び止めて3人で手繋がせて退場でした。

最初から最後までずっとすごくて熱に飲み込まれた大楽でした。終わらないでほしいけど主演変わらず再演が約束されているってすごく心強い。また次の機会に。