みなも泳ぐ水鳥も

観劇と他の趣味

2022年見たものまとめ(7月)

奇人たちの晩餐会@東海市芸術劇場

まさしく演劇界の異種格闘技戦。全員がそれぞれに上手くて、全体的に大声ベースのドタバタものなのにものすごく見やすくて聞きやすかった。
意地の悪さも決着の感じもフランスっぽい気がする。インドのくだりはちょっとぎょっとしましたが……。

 

久々の舞台での戸次重幸、水も滴るいい男。ルームウェアの衣装が身体の綺麗さを際立たせていて、そりゃ調子にも乗るだろうなという見た目。
全体的にある嫌な感じも思い通りにいかずに喚くところもそれでも可哀想になる表情も好きなシゲでした。

友人が原田さんなの嬉しかった。基本的に親切だしかつて裏切ったピエール側に立ってくれるけど。半分くらいは面白がってる感じ。落ち着いた役好きだな。

ピエール側でも翻弄する側でもない第3軸として坂田さんが登場してから、また雰囲気が変わって面白い。そこまでずっとバタバタしてるのがここで若干の間が発生するのでちょっと落ち着ける。

フランソワは良い人だけど話が通じない!!となる雰囲気も、それでもやっぱり良い人なのもすさまじい説得力だった。カテコ挨拶が関西弁なのにちょっときゅんとした。登場時に拍手起きるのは歌舞伎文化かな。

雨のため電車運休に巻き込まれてバタバタ。疲れた……。私は10分遅れで入れたけど、1幕中盤くらいの人もいて、入る方も前通られる方も舞台上も大変でした。
カテコでシゲが「皆さんのために初めから説明しましょか?僕のぎっくり腰から始まって……大丈夫?」と言及してくれて、ありがたかった。


2020
久しぶりに脳が処理落ちした。こういう話かなと掴みかけると劇的な音楽とビカビカの映像で混ぜっ返される感じ。わかりやすいメッセージを伝えるのが目的の作品ではない気もする。

箱は知識/技術/発明とかかなと思った。生み出されたらそこから増え続けるしかなく無視することはできない。

あと「沈黙は金」とか2020年現実の話と大錬金ルートあたりから、NOと言わなければ全会一致ってことにされて取り返しつかなくなるぞっていう感じのことも読み取ったけど、それだけが今作のメッセージでもない気がするんだよなあ。
初めこのタイプの怒りがそのままお出しされる感じの作品なのかなと思っていたので、そうでなかったのが意外だった。

 

命綱なしで不安定な箱の上に登っていくのが怖い。

大楽で音響がおかしくなったみたいで、途中から地声芝居だった。

 

アラジン@四季劇場海
た、楽しい……。

ジーニーがずっと好きだった。ランプで登場してからFLMまでで既にジーニー。たまに一瞬だけ「ジーニー」を脱いだみたいな表情と声で喋るのもぐっとくる。

1幕のうち10分の1近くを占めるFLMが圧巻。FLMの前に「僕のビッグナンバーがあるんだからぁ」って言うんだけど、アニメとか映画の8倍くらいビッグナンバーだった。

ジャスミン、吹き替えなのかと思うくらい声がジャスミン。その声のまま歌がすごく上手い。
アルは恋の形をしていた。あれは好きになっちゃうよ。

改変の分だけクライマックスがミニマムだった。
色悪要素が抜けてすごく良い声のおじさんなジャファーに向かって、人間のイアーゴがぺらっぺらタメ口で話しかける関係性が刺さった。最後まで全く信頼感なく、ただ一緒にいるだけの上司と部下。


魔法もどれも素敵だった。分かるのも分からないのもシンプルにおおっ!ってなる。魔法のじゅうたん本当に綺麗。

長くなりがちなカテコも、最後登場するメンバーしぼって終わりだよ〜って退場していくのも好きだった。

パンフ見てたら海宝くんの名前も場面写真も載っていた。さすがロングラン。海宝アルも見たかったな〜。


導かれるように間違う@彩の国さいたま芸術劇場
すり鉢型の客席でフラットな床がステージなのが初めてで面白い。


とにかく身体表現が美しくて気持ちいい。松葉杖のペアダンス素敵だった。
2020と近いテーマだけど、比べると"あちら側"と"こちら側"が今作の方がわかりやすい。ひとり芝居と会話ありの差かな。
理解しやすいのはありがたいんだけど、正解がわかるのもまた別の問題な気もする。


レジスタンス側が最後に言う「これじゃあいつらと一緒じゃないか」が他人事ではなかった。あちら側にも心底陶酔している人もいれば、自分に嘘をついて傷つけながら"こうあるべき"を守っている人もいる。

 

CUE DREAM JAM-BOREE 2022@北海きたえーる

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