みなも泳ぐ水鳥も

観劇と他の趣味

2021年見たものまとめ(4~5月)

アリージャンス@愛知県芸術劇場
想像していた辛さの3つくらい先の悲しさ。見てよかった。

正直自分のアイデンティティと国的なものに強い結びつきを感じてないんだけど、それは生まれた国と住んでる国とルーツが一致していて、今まで明確な危機がなかったのもあるんだろうな。

上條さんがすごかった。
優しくて心の拠り所になるおじいちゃんと、過去にしこりをもつオールドサム、どちらも心に突き刺さった。
おじいちゃんの、不安に寄り添ってくれる雰囲気がすごく好き。

マイクマサオカは、自分にも葛藤があるけど、交渉という仕事があって立場もあって、市民に届いて評価されるのも結果でしかないんだよな。
内容に納得していなくても立て板に水の演説だった戦中の演説と、最後の後悔の弁との対比が辛い。

フランキー好きだったな〜、シンプルにかっこいい。
あのユーモアと信念と「属性じゃなくて君だから」をまっすぐ伝えられたら好きになるよ。ダンスパーティー曲がめちゃ好きでした。

 

8.6の演出、なんとなく想像して見に行ったんだけど実際に光浴びると苦しくなって涙出てきた。
それで、勝手にそこがラストと思ってたから驚いたし、戦争が終わったからって問題が終わるものでもないんだよな。

 

スウィング回を観劇。もちろん何もなく完走できた方がいいけど、スウィングやアンダーがきちんと稼働しているおかげで観劇できました。


日本人のへそ@ビレッジホール
正直、じ、時代〜〜となるところにあふれてるんだけど、全体の構造は好きだった。
ヤクザさんの見せびらかすようにあげられるレッグスがロング。
あとピアノの朴さんこちらの作品でも大活躍で、行ったり来たりでお疲れ様です。


音楽部分も台詞もとにかく気持ちよく、リズミカルに聞けるように作られてる作品。
理子ちゃんのコミカルさがあの猥雑さに馴染んでいて可愛かった。

 

昔の戯曲を上演するの、ある程度は皮肉だろうとか裏ジョークとか認識して見るけど、やっぱり明らかに古いところをそのまま出されるとぎょっとしてしまうし、そこで笑いが起きるとむむむ〜っとなる。
パンフにも差別意識の反転的な言及あったし、無批判にやってるわけじゃないと思うけど、2幕前半の部分は単に笑いどころとして伝わってた感じはする。
観客側も作り手もNGだって前提が共有されてるって思えないと難しいなあ。

 

スリルミー@シアターウエス

north-th-east.hateblo.jp

 

 

ウェイトレス@御園座

厳しい現実と力強い展開と楽しい音楽!
「She Used To Be Mine」、前におげんさんで聴いたときはしっとりしたバラードだったけど、劇中ではソウルフルでめちゃくちゃかっこよかった。
みつきちゃん舞台で見るの初めてだったけど、やっぱお芝居が好きだ。

 

ポマターは清潔感があって、ある程度は誠実で人として優しくて、でもちょっと変わってて、宮野さん超適役だった。
かなり攻めたシーンもあるけど、どこかコミカルさが出てるのはこのキャスティングだからだなと思った。

キャスト発表前に元基くん案をよく見かけていて、キャラ的にもフォルム的にもめちゃくちゃ分かるけど、あのシーンはこっち側に若干の覚悟が必要な気がする。
生々しいの見慣れてないから笑

 

何度も繰り返される♪sugar,butter,flourのフレーズと、パイ作りシーンや高いところから降りるときのアンサンブルの方々の動きで、日常のままならない現実の物語に浮遊感が生まれてて好きだった。

 

お噂はかねがね伺ってたおばたのおにいさん、キャラクターもやたら舞台映えする身体能力も超良かった!
エマちゃんのナードキャラと相性が良くて、ふたりがso cuteだった。

 

それ自体がテーマではあるし嫌な感じでは全然ないけども、ストプレも含めてこれまで見た演劇の中で5本の指に入るくらい際どかった気はした。

子どもの好きな俳優いるから家族で行こうか!みたいなのが普段以上に発生しそうな座組みだし、見た感じ元気なハッピーミュージカルの中で、次々と生々しい表現が繰り出されるので、舞台にも映倫みたいな、推奨年齢○歳みたいな基準あるといいなとは思った。

スターピース
あたたかい作品で楽しかった。これまでの本公演でいちばん本人と重ねずに物語として見れたかも。

ラストの画が美しい。最後の後ろ姿が映像になったように見えて、虚実混じった展開も含めて映画のワンシーンに溶けてったんだなと感じた。

HONORとか下荒井同様、今回も女性として動いていて良かった。(あきちゃん以外は入れ替わりネタと情報伝達のためのキャラクターだったけど)
下荒井で「ちゃんと女性に見えなきゃ話が動かない」って言ってたの思い出した。

「じゃあ顔も見えない誰かの一言で、この作ってきた期間全部なしになるってことですか!」みたいな台詞があまりにも刺さった。

猫ちゃんと乙骨さんふたりのシーンが好き。
脚本家によって生み出されて、俳優によって舞台上にあらわれる表現論は胸にくるものがある。


OP名乗りの順番しかり、これまでもキャラの重み付けはあったけど、メイン軸がふたりっていうの珍しい気がする。
過去作でもメンバーが女性役をやって恋人や家族になることに変な力みのないユニットだけど、短い夢のような恋物語はたぶん内からは出てこなかっただろうから、外部と組んでこういう作品が出来上がるのは良いなあと個人的には思う。

この5人を通していろんな物語が見たいと思ってるので、5人横並びでないのも面白いなと思うし今後別の人がメインキャラな作品も出てきたらいいなと思う。
けど、2~3年に一度のお祭りなので、また2~3年待つことになるので、人によって重視するところが違うのもまあ分かる……。

 

裏切らない芳雄4時間フェス(配信)

元々国フォAの2列目持っていたので、中止になったときは血の涙を流していたんだけど、ただでは起きない我らがプリンス。

 

1幕、この10年の歴史を振り返る素敵な構成で、大貫さんの巧みな編曲による「裏切らない芳雄メドレー」がめちゃくちゃかっこいい。

2~3幕は本来順番に来るはずだったゲストの皆さんをあらかた呼んで、順番にトーク&デュエット!

まりおあっきーサカケンのいつメンハクナマタタ、しょうこシシィと芳雄フランツの夜のボート、海宝先生とのFor Goodに本役の列に加えてもらったレミゼメドレーなど、エンタメ性と聴きごたえに溢れたセットリストに大満足。

トークも止まらず、結局5時間喋り歌い倒して終了!本当に楽しかった~。

 

このイベントがまた一段階立ち位置を変えたきっかけなのでは、と私は思っているよ。