みなも泳ぐ水鳥も

観劇と他の趣味

2020「プロデューサーズ」

どこまでが原作通りなのか分からないけど、人間的に欠けた人たちが勢いでドーン!みたいなお話だから、倫理的にん?ってなるところも元々そういう話なんだろうなって受け止めた。

 

冒頭からマックスの台詞回しとか歌い方が好き!
何言っても何やっても一定の上品さを担保する男・井上芳雄の力は大きいなあと思った。

たぶん元々ある台詞なんだけど、体と引き換えに多額の寄付金をふんだくってること追及されて「チャリティーじゃないか!!」っていうの、前作のこと考えるとタイミング的に最悪だった。笑

ブロードウェイのプロデューサーな衣装がどれもこれも素敵。

おばあさんの国のマックス、最低で最高。
これまで好きな人には一途みたいな役の方が多かったから、恋人は金!みたいな振る舞いが新鮮。

 

個人的なベストアクトな2人はカルメンとウーラ。

カルメン何?シルエットも振る舞い仕草も美しすぎるが?
まじで登場から心つかまれて、カルメン出てるとず〜っとそっち見てた。
ふたりで「「ダーッハッハッハ!」」って笑ったあと、無の顔ではけてく静の笑いの使い手だった。
このときまだルドルフとヒダリメしか見てなかったので、ここで印象がひっくり返った。

 

ウーラも超超超可愛かった。
「ウーラ、がっつり歌う」って申告したあと本当にがっつり美声を響かせるの最高だった。
ずっと綺麗で可愛くて、下品になりかねない性格もあっけらかんとした子って感じで良かったと思う。

 

ウーラや警官の出身とかの地理的ジョークは、単に田舎いじりなのかもう少し含みがあるのか、全然理解できてないと思う。
ナチスのとこももちろんありえない話として描かれてるけど、現地はもっと忌むべき存在である前提なんだろうな。
意識を共有できてなくて笑っていいとこなのか迷う部分はある。

 

お亮氏のイキリオタクなお芝居めちゃくちゃ好きなので、最後ウーラに迫られるとこ絶妙に香ばしくて良かった。
パニックのとこも自由度高そうで楽しそう。
普通の会話の声で歌い上げるので好きな感じだったな。

 

あのカテコソングはああいう曲が原作にもあるんだろうか?
三谷作品で毎回見る追い出しソングを彷彿とさせるし、KTのメタ歌詞テーマソングっぽくもありめちゃ好きだった。

あとフィナーレの電光掲示板、謎のパロディ作品ばっかで面白かった。
あれは元作品が存在しない世界線なのかろくでもない仕事続けてるのかどっちなんでしょう。


ただ声は本当に聞き取りにくかった……。
部屋のセットはそうでもないけど、劇場前のシーンで複数人が歌うとぼわぼわになって誰の声も分からなくなる。

二朗さんのフリータイムは私は流れが止まるので別にいらんなと思うけど、周りめちゃめちゃウケてたしやっぱあれを期待してる人も多いんだろうね。

演出家カップルの描き方とか気になるところはあるんだけど、特にこういう作風だと意図のある露悪なのか単に時代に即してないのか分からん部分はある。

福田作品、倫理観がかなりあれではあるし、改変も内輪ネタも多いし、もう積極的に推しと関わってほしいとは思わないんだけど、真剣に向き合ってない人にもあまりにも嫌われすぎている気もして、なんとかならないもんかなあ。